投稿者 スレッド: 計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話  (参照数 274 回)

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書名:計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話
著者:三島 邦弘
発行所:河出書房新社
発行年月日:2011/10/30
ページ:258頁
定価:1500円+税

何となく聞いたことがある題名?「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著を思い出す。そんなことでちょっと気になって読み始めた本です。この本が出た当時、創立5年目のミシマ社という小さな出版社の社長のお話です。

1992年の刊行される新刊本の点数38000点、現在80000点約2倍、1996年に売り上げがピークその後減少傾向が続く。出版社220社が倒産、新規にできる出版社20社の時代に、あえて小さな小さな出版「ミシマ社」を設立して営業を始めた話、現在進行形の出版社の失敗、成功を含めて赤裸々に書いてあります。

本作りの原点回帰を目指す、本は売り上げを上げることが至上命令か?そこから出発している。情熱を込めて良い本面白い本作りをする。これを熱量の籠もったと表現している。そしてそれを中間部門を経由せず直接顧客(本屋)に、そして読者に届ける。これに徹する。農作物の産地直送と同じ。作り手が見える本作り、そんな出版社。でも「不安定の中の安定、安定の中の不安定」を地で行っている。1冊の本が完成することで少し経営が楽になったり、苦しくなったりそれを繰り返している。情熱だけは失わずに。

社員の仕事に枠はない。決まった仕事はない。どんな仕事でもやる。囲いを作って自分の仕事ではないとは行っていられない。なんでもやる。普通の会社の仕事が分断されて、仕事の達成感、責任感、成果の分配についても自分の事と感じられないようになってしまっている。そんな弊害を除くこと。読者からの葉書には全員で返事を手書きで書く。サッカーなんかでも私はバックス、ゴールキーパー、フォワードと役目が決まっているけれど、実際の試合では全員が攻撃、守備をしないといけない。私の仕事に拘っていたら負けてしまう。そして楽しくない守備の人がゴールを蹴ってもいい。そんな会社を目指している。小さな会社だから出来ると言うことなかれ、大きな必要が何処にあるといった感じの会社です。
さてこの会社これからどうなっていくのでしょう。非常に興味がある。「計画と無計画のあいだ」福岡伸一さんにことわった処自由にお使いくださいとのこと。

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