書名:地震予報
著者:串田 嘉男
発行所:PHP研究所
発行年月日:2012/11/29
ページ:339頁
定価:860円+税
なかなか難しい地震予知、1993年世界的にも有名なアマチュア天文家が流星観測データの中に見つけたちょっとした変化に、地震の前兆が含まれているということを発見した。その後阪神淡路大震災の前兆現象らしきものもとらえたが、発表することが出来なかった。天文台の仕事を辞めて、地震予報に挑むことに専念した。以来無休で17年、地震の起こる前に普段聞こえないエリア外のFM放送が聞こえることがある。これは地震の影響で電離層の揺らぎで電波が反射、散乱して起こる現象。その現象を全国各地のFM放送局をモニターすることによって、地震の規模、発生時間、場所を推定することができるという串田式観測法を提案して、それに基づいて毎日観測を続けている。秋田県、高知県にも遠隔局を設置して、八ヶ岳山麓でデータの解析、分析、整理を行って、その結果を支援者にFAXに送っている。
M5.0以上の地震は比較的予報が当たるようになってきたが、17年間に失敗もたびたび、それをまた修正しながら段々精度を上げて行く研究活動を詳しく書き綴っている。
最近科学というと予算、政治、社会を巻き込んで大きなプロジェクトで大騒ぎでやるもの、また権威ある大学の教授などがやるものと思われているが、ライト兄弟の飛行機だった200m飛んだだけ、でも飛んだという事実が大切、その後の基礎となっている。地震予知もまだまだよく分かっていない。この串田式観測法は地震規模、場所、時間をかなりの確度で予知している。
前兆現象でも2ヶ月位で終わるものから、5年以上掛かっているものなどと発生地震の種類によっていろいろな前兆が違ってくる。この本を書いている前から前兆現象が出ていて未だに続いている近畿地方の巨大な地震についてはホームページにその後の前兆現象詳細をアップロードしている。この本を読んでから報告データを読むと理解しやすい。ちょっと注目してみたい串田式観測法です。アナログ技術でやっているところも面白い。電波を受信して検波する。その軌跡をペンレコーダーで記録するというひと時代前の懐かしい。
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