投稿者 スレッド: 原発の闇 その源流と野望を暴く  (参照数 335 回)

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原発の闇 その源流と野望を暴く
« 投稿日:: 8月 19, 2013, 06:18:31 pm »
書名:原発の闇 その源流と野望を暴く
著者:赤旗編集局
発行所:新日本出版社
発行年月日:2011/10/30
ページ:173頁
定価:1200円+税

アメリカから日本に持ち込まれた「原発」が持ち込まれた源流をたどりつつ、唯一の被曝国である日本が世界でも有数な原発大国にいたった経過を追った迫力あるルポタージュです。3.11福島第一原発事故の遠因「事故は絶対に起こりえないという原発安全神話」がどのようにして作られてきたか?財界をはじめとした原発推進勢力の野望と実態に鋭くメスを入れています。分かりやすく書かれています。

福島事故が起きてからも、原発再稼働のために九州電力の「やらせ」メール事件が起きている。体質は少しも変わっていない。原発事故で死んだ人はいない。とうそぶくやからもいるが、原発事故の危険は他の事故、事件に比べて「異質の危険」があるということを知る必要がある。10年に一回、1000年に一回等確率の問題、人の死亡率の問題で原発事故を考えるということが正しいのか?

ひとたび、事故が起こるとそれは空間的、時間的に大きく広がる事故となって被災者は長期の避難、移転を伴う。戦争であれば「国破れて山河あり」と山河は残る。でも原発事故は山河も残らない。30年~300年の時が必要になる事故。こんな途方もない人間の寿命と比べて格段の差。こんな異質の危険をいままで原発推進勢力は全く考えていない。住民のことを考えてきた原発はない。新しくできた規制庁も、事故の時住民避難のことをいるか?
今すぐ原発を廃炉とする大方針を策定すべきと本書は提案している。

原発はもともと原子力潜水艦に使用されていたものを陸に上げただけのもの、軽水炉は原発を止めても水で冷却をしないと止まらない。未完成品それをいつまでも使い続けるのですか
原発推進のために今まで使ってきた資金、人材、エネルギーを廃炉に注ぎ込んでいけば簡単に出来るはず。廃棄物を処理することも未だ技術的にも、どこに作るかも、世の中の人々のコンセンサスも得られていない。300万kwのエネルギーを使って100万Kwの電力を得る。そして残りの200万Kwは海へ熱として廃棄(海の水温を7度上昇させる)する原子力発電。そんな優れたものでもない。

そう言えば一時騒がれた原発がなくなると夏の電力需要に絶えられない。節電を声高に叫んでいた。でも今年は例年になく暑い日が続くが節電の声は聞こえてこない?また今、原発事故、福島の話題も段々小さくなってきた。スローガンだけの中味のない時代になってしまった。スローガンは噂より早く消滅してしまうようだ。未だに10万人以上の人々が避難を続けていることは異常な事態という感覚はなくなってしまったようにも感じられる。数字で表れている10万人、でもそれは一人一人、その人の暮らし、家族、仕事、将来が集まっている一人が、10万個集まっているという重要なことを忘れているように思う。