ホームページと著作権
ホームページをグループ、仲間等複数の人と関わりながら作成する場合の注意事項
「ホームページ作成者に帰属する著作権を,団体名(例えばabs21、TaKMi、つづき
パソピア等)に譲渡する」ということ覚え書き(契約書)に明記しておくこと。
それから覚え書きに,著作物の翻訳権・翻案権や,二次的著作物の利用に関する
原著作者の権利を譲渡する,と明記しておくこと
また、譲渡が出来ない著作人格権については「著作者人格権の行使をしない」とい
う条項を設けること。
著作者人格権には三つの権利があります。
・「公表権」
・「氏名表示件」
・「同一性保持権」
公表権は,まだ公表されていない著作物を公衆に提供または提示する権利。
氏名表示権は著作者が著作者名を著作物に表示する権利。
替え歌などは同一性保持権を侵害することになります。
これらをホームページ作成に関わるメンバー間で合意しておくことによって、他の人が
作成したホームページの手直し、修正、変更をすることが出来る。(これらは常識といば
常識なのですが、いろいろな人がいるので、念のため)
ホームページの作成等の知的財産権を含む活動を行う上で、最初に考慮して置いて
今後、発生するであろう問題の解決のための判断基準を明記して置いた方が良い。
実はソフトウェアを外部に発注する場合、会社は委託先と必ず、上記のような契約を
結んで、納品後の著作権の使用について委託先から権利主張されないようにガードを
かけている。(ソフトウェア発注上の常識となっています)
下記は参考です。
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著作権って何ですか?
著作権は知的財産法に包括される権利の一つです。知的財産法は下記の
ものがあります。
・知的財産法に包摂される諸法
知的財産法---権利付与構成を取るもの---特許法(発明)
---実用新案法(考案)
---意匠法(意匠)
---商標法(商標)
---半導体集積回の回路配置に関する法律
(半導体のレイアウト)
---種苗法(植物の新品種)
---著作権法(著作物)
---行為規制の構成を取るもの--不正競争防止法
(標識、営業秘密、商品形態)
著作者の権利としては下記のように譲渡又は売買の出来る著作権(財産権)、
その人についていて譲渡又は売買が出来ない著作人格権で構成されています。
(下記参照)
・著作権の構成
著作者の権利---著作権-----複製権(21条)
(財産権) 上演権・演奏権(22条)
放送権・有線送信権等(23条)
口述権(24条)
展示権(25条)
上映権・領布権(26条)
貸与権(26条の2)
翻訳権・翻案権等(27条)
二次的著作物の利用に関する原著作者の
権利(28条)
---著作者人格権--公表権(18条)
氏名表示権(19条)
同一性保持権(20条)
著作物とは?
著作権法によって保護される対象を著作物という。著作物とは人の思想や感情を創作
的に表現したものであって、文芸、学術、美術、音楽の範囲に属するものをいう。
(2条1項1号)
また著作物あるいは単なるデータ(著作権が発生しない事実データ等)の編集物で
その素材の選択や配列に創作性のあるものは編集著作物とされている(12条)
例:百科事典など、編者に編集著作権が発生する。第三者が無断でその百科事典を複
製すると個々の項目の著作者の著作権侵害となると同時に編者の編集著作権の侵害となる。
著作権は著作物の創作と同時に権利が発生し、官庁による事前審査・登録というもの
はない。(これはベルヌ条約上の義務である)
著作者の権利は、著作権(財産権)と著作者人格権で構成されている。(上図)著作
者は創作と同時に財産的権利に加えて著作者人格権も取得する。
この2つの権利は全くことなった権利である。著作権は譲渡する事が出来るが、著作
者人格権は一身専属的なものであり他人に譲渡することは出来ない。
著作権とは、所有権のような単一の権利ではなく上図のように複製権等の支分権の束
として構成されている。著作者はその支分権の1つあるいは複数につき譲渡したり、
ライセンスしたり、担保権を設定したりすることが出来る。
著作権侵害は一部を除き親告罪である。特許法は非親告罪の違いがある。
親告罪であるから告訴されなければ何をやっても良いということではなく著作権を
尊重しなければなりません。
替え歌の場合、著作人格権の同一性保持権侵害になります。
コピープロテクトをはずして複製した場合は私用、他者への配布に関わらず、非親
告罪で罰せられることになります。
ホームページ、電子メール等で注意が必要な関連法規として刑法があります。
第13章 秘密を侵す罪
133 信書開封
134 秘密漏示
135 親告罪
私信メールを第三者に無断で転送すること。ホームページに公開することは
禁じられています。したがってメール、メーリングリスト上の著作物を勝手に
他の人の開示、転送することは禁じられています。
(本人の了解を取る必要があります)
著作権法上の刑事罰則は、次の通りになっています。(第119~122条)
酔っぱらい運転よりも罪は重いものであることを十分認識しましょう。
著作者人格権,著作権……を侵害した者 3年以下の懲役or300万円以下の罰金
著作者死亡後に著作者人格権を侵害した者 300万円以下の罰金
著作者表示がされている部分に手を加えて頒布した者
1年以下の懲役or100万円以下の罰金
営利目的で複製装置を使用させた者 3年以下の懲役or300万円以下の罰金
プロテクター解除装置を使用させた者 3年以下の懲役or300万円以下の罰金
音楽レコードを違法に頒布、またはその目的で所持した者
1年以下の懲役or100万円以下の罰金
出所を明示する規定がある行為で、これをしなかった者 30万円以下の罰金
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ウェブページ上の著作権表示
Copyright(c) の表示について
日本国内ではCopyrightを表示しなくても、著作物が創作された時点で著作権は発生
します(=無方式主義)。ただしWEBページはその性格上、国境を越えて利用される
可能性があるので、Copyright表示(マルシー表示)はしておいた方が安全。
マルシー表示は、(c)マーク・著作権者名・最初の発行の年 を一体表記する必要が
あります。
例1: Copyright(c)1999 名前 All rights reserved.
例2: (c) 名前 1999
本当は○の中にcを入れますが、電子文書上では(c)で良いことになっている。HTML
の場合「©」とソースに記入すると 「c(=○の中にc)」と表示されますが、
ブラウザ(NN3など)によっては未対応(カタカナのウに見えてしまう。