投稿者 スレッド: 「世渡り上手」で生きなはれ  (参照数 1016 回)

admin

  • Administrator
  • Hero Member
  • *****
  • 投稿: 59139
    • プロフィールを見る
「世渡り上手」で生きなはれ
« 投稿日:: 11月 14, 2012, 12:20:11 pm »
書名:「世渡り上手」で生きなはれ
著者:市田ひろみ
出版社:佼成出版社
発行年月日:2001/9/30
価格:1400円+税

「ゆっくりしてきはったらよろしいじゃないの。今、おいしいお茶
いれますさかいに。
 新幹線?そんなの待たしといたらよろしいがな」
このせりふ言いながら、後ろには座敷ぼうきが逆さにたててある。

お茶のコマーシャルでおなじみの市田ひとみの京都風おつきあいの
極意を普段の判りやすい言葉で説明している。
「欲をかいたらあきまへん」
「おつきあいは言葉しだい」
「自己中」もほどほどに

京言葉
庶民が使う「町衆ことば」(京都弁)京都御所を中心にした「御所こ
とば」祇園町、上七軒、先斗町などの花街で話されている「郭ことば」
その他西陣などの職人の言葉、大原など周辺のことば等々いろいろ分
かれている

「おこしやす」と「おいでやす」
初めてのお客さんには「おいでやす」、何回も来てくれるお客さんには
「おこしやす」を使う。

「角を立てない」物言い。相手の言葉即否定しない。すぐに嫌いとは言
わずに「好きやない」という言い方。

京都の人は基本的に、誰とも争わないようにしている、ひどいことを言
って人を傷けたり、言わなくてもいいことは絶対言わない。争ったりす
ればその関係は親子三代まで続くと言われている。

京都人の中に流れている生き方考え方に、継続、続く、繋がるがあると
思う。人と人のコミュニケーションを今の今だけで判断するのではなく
子々孫々に渡って続けていく配慮がある。こんな面倒なことは嫌という
人には非常に理解しがたい京都の壁が見えてくるのではないでしょうか。

この本を読んでいると私の母、おばあさん、親戚のおばさん、近所のお
ばさんなどが普段普通に言っていたことが書いてあるという懐かしさと
不変さを感じた。ただ「よそゆきの建前」で。本音は行間にあると思う。
なかなか難しいものですね。