投稿者 スレッド: ウェブ時代をゆく・・・いかに働き、いかに学ぶか  (参照数 1037 回)

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ウェブ時代をゆく・・・いかに働き、いかに学ぶか
« 投稿日:: 11月 14, 2012, 12:19:32 pm »
書名:ウェブ時代をゆく・・・いかに働き、いかに学ぶか
著者:梅田望夫
発行所:筑摩書房
発行年月日:2007.11.20
価格:740円+税

ウェブ進化論・・「本当の大変化はこれから始まる」から約2年、前作は判る人
は判るという感じで普通の人にはちょっと取っつきにくかったかも知れない。ま
たウェブの進化論というよりは世界で興っているインターネット事情紹介が多か
ったように思う。しかし今回の「ウェブ時代をゆく」はかなり著者の気合いの入
れ方が違うように思う。福沢諭吉の「学問のすすめ」ならぬ「インターネット、
ICTのすすめ」いや現代版「学問のすすめ」か?

 かなりこなれた文章、主張が目立つ。一般の人でも理解できる内容になってい
るのではないかと思う。「学習の高速道路と大渋滞」「知と情報」が今の時代ほ
ど簡単に手に入る時代はなかった。したがってプロ寸前までは誰でも高速道路を
走るように身につけることが早くできるようになってきている。しかしそれから
先は大渋滞になって、「けものみち」をいくか、「高く険しい道」をいくかの選
択がまっている。どちらを行くかは自分の「好き、嫌い」の判断で!
 自分の「好き、嫌い」で選べる時代になっていると言っている。「学習の高速
道路と大渋滞」は将棋の羽生の言い出したこととか?
 若い人に向けた応援歌です。ただ言うだけではなく具体的な話、実体験、自分
の思索、思考を交えて判りやすい説得力のある文章です。

 また、現代版「学問のすすめ」ならばもっと強気に言い切った言い方もあって
も良かったのではないかと思います。福沢諭吉はかなり強気だったような気がし
ます。(これは現在との違いかな)この本に描いてある未来が10年、20年後
どれくらいあっているかは興味あるところですが、それよりも現在の事象を分析
しながら、自分に取っての将来、未来を考えていく上での1つの方向性を与えて
くれる本だと思います。オープンソースというのはあるレベル以上の人が集う場
所。また一緒に創造するという共通の目的があるが、2chのようなコミュニティは
誰でも参加している。特に目的も明確ではない、したがって建設的な意見よりは
足を引っ張るような発言も見受けられる。

オープンソースコミュニティのような建設的な場が他にも出来ると良い。これに
はやっぱりICT参加者の相対的なレベルアップを地道に行っていくしかないのかも
知れない。「衆愚が集まると悪い方向ではなく自然に淘汰されながら必ず良い方
向に行く」というテーゼを信じてみたい。一人一人には必ず善の部分を持ってい
る。負の方向ばかりを表に出しているのはそれはそれなりに大変なことです。

この本は予言書、予想をしている本ではなく著者と一緒に今後のWeb時代を考えて
行きましょうという提案だという気がしました。若い人には是非読んで貰いたいと
思います。この本の中に出てくるプログラムに堪能なひと、エリートばかりではな
く、新しい仕事の創世記にはそれぞれの人にそれぞれの役割が出てくる。それを自
助の精神で見つけてチャレンジしていくことの重要性を説いているように思う。
一言一言にうなずきながらなるほどと思いながら読みました。
 ただ、少し先を行きすぎているところもあると思います。著者の述べているよう
にこれからの時代が進むか?違った方向に進むかは。これから出てくる色々な事象
を検証していくことで判ってくるでしょう。とはいえ触発されることが多い本だと
思います。
「知と情報」が簡単に手にはいるようになると「知らない」ことを恥ずかしがる必
要がなくなる時代の到来かも!ネットで探せば大抵の知は手に入る。これは凄いこ
とですね!