投稿者 スレッド: 風をつかまえて  (参照数 295 回)

admin

  • Administrator
  • Hero Member
  • *****
  • 投稿: 59143
    • プロフィールを見る
風をつかまえて
« 投稿日:: 3月 11, 2013, 12:15:31 am »
書名:風をつかまえて
著者:高嶋 哲夫
発行所:日本放送協会
発行年月日:2009/3/20
ページ:269頁
定価:1400 円+ 税

この本は以前読んだ事がある本です。過疎化が進み破綻寸前の北海道の町で、町おこしのため風車建設プロジェクトがたちあがった。自然エネルギーの開発、風力発電利用、町の活性化など時代が要請していた問題を北海道の小さな海沿いの町を舞台に描いている。

北海道の小さな町で、町おこしのために風力発電設備を作ろうということで、町で唯一の鉄工所にかなり小型の風力発電機を注文する。この鉄工所は家族含めて3人の小さな会社。息子は家を出ていてどこにいるか判らない。風力発電は外国から輸入して設置しているところは一杯あるが、国産で設置するのは初めて、そんな噂を聞いて息子が帰ってくる。造船所などで働いていたので、溶接、旋盤、図面を見方などは出来るようになっていた。

父と息子、娘と一人の従業員で小型の発電機を作る。そして設置。でも台風にこの発電機が崩壊、崩壊した鉄骨の下敷きになって娘は片足を失ってしまう。
 町としてはこれで計画は中止する予定。でもこの鉄工所の家族は自分たちの力で、もう一度、挑戦と設置する場所、環境、構造の設計、見積もりなど一から丈夫な発電機づくりを目指して動き始める。エコを売り物にしている風力発電の実態がこの作品を通じてわかる。意欲的な作品。