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新撰組秘帖
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 11:49:26 pm »
書名:新撰組秘帖
著者:中村 彰彦
発行所:新人物往来社
発行年月日:2002/5/31
ページ:354頁
定価:1900円+税

新撰組というと「鞍馬天狗」でも悪役としてよく時代劇に登場している。また主人
公としては近藤勇、土方歳三、沖田総司、永倉新八などよく出て来るが、この本で
は脇役としてしか出てこない人達を取り上げた短編集です。

作品は「輪違屋の客」加納惣三郎、「密偵きたる」松山幾之介、「ふらつき愛之助
」加藤愛之助、「近藤勇を撃った男」富山弥兵衛、「忠助の赤いふんどし」沢忠助
、「巨体倒るとも」島田魁、「五稜郭の夕日」市村鉄之助、「明治四年黒谷の私闘
」橋本皆助、「明治新選組」相馬主計「対談 新選組と日本精神」著者と東大教授
・山内昌之氏との対談を収録している。

短編ですが、どれもなかなか読み応えがある。いままでの新撰組像とは違った姿を
明治以降も生き残った人達、行方不明になった人達、新撰組から官軍に移ってしま
った人達、それぞれの幕末・維新の処し方、目に見えない運命というものを感じる
。会津藩主松平容保と新撰組が長州征伐に行軍していたら、近代武器の威力という
ものをしっかりと認識が出来たのでは、旗本、大名等の武士としての徳川家臣団が
幕末の混乱期に何も出来なかったときに、名も無き人達が新撰組という集団に集っ
て、京都、江戸、八王子、甲州、長岡、会津、仙台、函館の地まで幕府側として忠
誠を示したのは何故だったのか?本来やらなければいけない人達が、何もやらなか
った。のか?
いろいろ考えさせてくれる作品です。