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獅子の系譜
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 10:04:13 pm »
書名:獅子の系譜
著者:津本 陽
発行所:文藝春秋
発行年月日:2007/10/30
ページ:408頁
定価:1619円+税

直政伝記『井伊軍志』(宮帯出版社)を定本として、徳川家康、井伊直政主従を通
して戦国時代の様々な場面を描いている。主役はどうも徳川家康らしい。史実に
沿った記述はそれなりに評価できるが、物語としてはイマイチ。特に人物描写、
風景描写、心理描写などは殆どない。史実を淡々と並べた感じで読みづらい。話
が場面場面で途切れてしまう。津本陽の小説には多い描き方です。ちょっと気合
いをいれて読まないと筋が判らなくなってしまう。歴史を知るという意味では良
い本だと思います。

12世紀から遠江井伊谷を領してきた井伊家、今川義元に、また井伊家の領地を狙
う奸臣にも狙われ続け、一族の多くが謀殺されて一族が衰退のとき生まれた直政
。その生い立ちはよく分かっていない。桶狭間の合戦を機に今川家から独立した
徳川家康の小姓として仕官する。家康は武田家との内通を疑われ自刃した嫡男信
康と直政の姿を重ね合わせるようになり、直政に目をかけるようになる。その家
康の期待に応えて勇猛果敢にして智謀にも優れ、徳川家臣団の中でも最強の武将
と成長していく。徳川四天王(酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政)のひ
とり、その中でも最強と言われた。武田の遺臣を多く採用して「赤備え」でも有
名。関ヶ原の戦いで負傷した傷が元で亡くなってしまう。