投稿者 スレッド: 沈黙野  (参照数 338 回)

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沈黙野
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 07:28:59 pm »
書名:沈黙野
著者:米山 公啓
発行所:講談社
発行年月日:2000/2/29
ページ:318頁
定価:1800円+税

神奈川県のある私立大学付属病院の助教授窪田が主役、もうすぐ教授が定年、教
授選挙を控えたある日窪田の高校生の娘が自殺してしまう。もう少しで教授にと
いうところで、妻と子どもは別居。仕事仕事、研究研究で過ごしてきた窪田には
教授選挙には必ず勝たなければと、論文ももう少し書いておかなければと高額の
実験装置を得るために製薬会社からリベートの為に新薬の治験データの捏造。元
勤務医が描く物語です。

本文より
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病巣があっても症状がでない脳の部分を沈黙野という。大学病院の医者たちは旧
弊に流され、自ら改革を拒否し、大学内部には寂寥たる沈黙野が広がっている。
しかし、市場開放という名の巨大な波は、銀行、証券会社を呑み込み、いまや医
療の世界にも近づいている。日本の医療が崩壊する前に警鐘となる小説を書きた
かった。ここに書いたことは近い将来必ず起こることだ。それでも彼らはその日
まで沈黙を続けるつもりなのだろうか。──米山公啓