書名:陽炎
著者:山崎 洋子
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2002/8/1
ページ:438頁
定価:1900円+ 税
舞台は昭和の10年頃の話。満映に勤めたくてつてを頼って満州に渡った。夫婦の
大陸におけるサスペンス。東京、静岡、満州、上海を舞台に日中戦争、日米戦争
前夜の陸軍、共産軍、便衣隊、それぞれがそれぞれの思惑で動く不可思議な世界
。そんな中にぽつぜんと放り込まれた子供づれの夫婦が、逃げ惑う。長い長い小
説でそれなりに読めるのですが、少し人物描写、風景描写が甘い、話の流れだけ
は判るがその中の登場人物はどこか生きた血が通っていない。しっかりと引き込
まれるところのない小説という感じがする。非常に覚めた小説。山崎洋子は初め
て読んだ。