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世界宗教講座
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:37:58 pm »
書名:世界宗教講座
著者:井沢元彦
発行所:徳間書店
発行年月日:1994/1/20
ページ:273頁
定価:1359 円+ 税

仏教、キリスト教、儒教、イスラム教、神道それぞれ「生き方」の原理がなぜ異
なるのか、五大宗教のエッセンスを比較することで、宗教の違い。日本人の精神
構造をあぶり出す異色の文化論。「禊ぎ」と「穢れ」「言霊」と「和」などをキ
ーワードに国際社会に揺らぐ日本人の「特異性」と「非常識」を鮮やかに!

聖徳太子の「和をもって尊し」の「和」というのは日本独特の思想。儒教・仏教
にもない考え方である。また江戸時代儒教が広く普及したが、禅の教えが色濃く
入っている。儒教は差別が基本。科挙の試験を合格した者と一般の人とは違って
当然。一人一票はおかしい。と。キリスト教は世界は造物主によって作られた。
神から見れば人は皆至らないもの。したがって一人一票で当たり前。共産党のマ
ルクス主義は無神論。神などいないところからスタートしている。

日本人は「穢れ」を払うために「水に流す」ということが理解出来るが、韓国人
をはじめ世界では全く理解して貰えない。道元の曹洞宗は、極めて厳格で、格調
の高いものであり、一般に広まる性格のものではなかった。その門下の第四祖、
瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)が禅を大衆化し、現在総持寺と永平寺の2つの
本山がある。実は殆ど滅び掛かっていた曹洞宗が瑩山によって今まで残っている
。浄土真宗についても親鸞の教えは滅び掛かっていたのを蓮如が一般大衆に広め
た。政治力があったということ。仏教が衰退してしまったのは江戸時代の檀家制
度。これで段々仏教は堕落してしまった。切磋琢磨しなくても固定の檀家があっ
て逃げられることがなくなった。

宗教の見方についてなかなか面白い。