書名:人蟻
著者:高木彬光
発行所:光文社
発行年月日:1996/1/20
ページ:421頁
定価:660円+税
安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅力的な甘い汁に、蟻のように
吸い寄せられる人間の群れ。戦後は終わったと言われた30年を舞台に巨大な利益
が悪を呼び、”犯罪”が発生する。弁護士・百谷泉一郎のカミソリのような鋭い
推理力で政界と癒着した難事件を解いていく。最近ではめずらく無くなったが、
弁護士が探偵役で登場したのは高木彬光が初めてではないだろうか?それも昭和3
0年代という早い時期に。高木彬光の脂ののりきった時代。冴え渡った作品です。
切れの良さが感じられる。