投稿者 スレッド: 鳥影の関 杉本苑子全集  (参照数 603 回)

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鳥影の関 杉本苑子全集
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 04:16:40 pm »
書名:鳥影の関(上)杉本苑子全集11 
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/2/7
定価:3600円+税

書名:鳥影の関(下)杉本苑子全集12 
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/2/7
定価:3600円+税

 江戸幕府が出来て200年、そのな時代を舞台にした小説です。箱根の関所に人見
女として勤めることになった小静が主人公「入り鉄砲、出おんな」といわれ厳重
な取り調べをしていた時代からもう少し緩慢な時代。結婚して子供が生まれたば
かりの時に、故郷山形を夫婦そろって遁走せざるを得なかった小静、一緒に箱根
の山の中で20数年隠れ住んでいたが、良人も亡くなり、娘も嫁入りしていた。そ
んな小静に「人見女」の勤めを進められて天下の険、箱根の関所の「人見女」(
女性の取り調べを専門にする下級役人)を勤める。関所という動かない場所・位
置から人の動くことを眺めなら次々と起こる出来事、旅人のように自分が動くの
ではなく、他の人の動く。定点カメラの位置から眺めているような物語の展開。
こんな視点があるのかとちょっとビックリ。時は二宮尊徳が生きていた時代。小
田原藩の役目として箱根の関所を運営していた。当時の関所の役割、運営の仕方
など、また出来事に対する処理、処置方法などいろいろ出て来る。歴史の勉強に
もなる本ではないでしょうか?江戸という時代を垣間見せてくれる。