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卑弥呼の殺人
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 03:35:46 pm »
書名:卑弥呼の殺人
著者:篠田秀幸
発行所:角川春樹事務所
発行日:2005/2/18
定価:1200円+税

高木彬光「邪馬台国の秘密」(邪馬台国はなかった古田武彦著の説を盗用したと
の論争があった)松本清張「古代史擬」など古代ミステリーを比較検討しながら
従来の論争、議論を踏まえ、日本書紀、古事記、魏志倭人伝を紐解きながら邪馬
台国の位置を推定していくプロセス、論理展開、古代のロマンを感じさせてくれ
る。そして現実の殺人事件を絡めながらの物語、ちょっと複雑すぎるという気も
するが、推理小説だけではなく、古代史へにも導いてくれる欲張った作品です。
魏志倭人伝の中で従来から諸説紛々する「南水行十日陸行一月」をどう解釈する
か?「畿内説」も「九州説」も困惑している問題。この物語では「九州説」をと
って、著者独自の解釈をしています。邪馬台国のことはある時間(半世紀)の経
過を含めて書いてあるという説をとって非常にユニークな解釈をしています。最
近の考古学の世界では大和での色々な発掘の結果「畿内説」が有利になってきて
いるように見えるが、全く逆の立場を取っています。いつまででも楽しめる素材
として邪馬台国探しは残しておいて欲しい気もしますが、結論も見てみたいと複
雑な気もします。(一里=90mの短里を採用しています。)卑弥呼はそっとして於
いて欲しいかも