書名:にこにこ貧乏
著者:山本 一力
発行所:文藝春秋
発行年月日:2007/7/15
ページ:237頁
定価:1333円+税
著者の日頃の作家活動、〆切りに追われ、取材や講演旅行など様子をエッセイ風に綴った本です。かみさんとやんちゃな息子たちとの日々の事など。また中学三年生時東京に出てきて新聞配達で経験したこと。ふるさと土佐のことなど本音で綴っている。
作家になって編集者に言われた一言。「山本さん、読者を物語の現場に誘って下さい。この原稿では読者はどこに言ったら良いのか判らない」「そして自分の取材したこと、知識を95%を捨てなさい」これを肝に銘じて作品を作っている。くどくどと私はこんなに知っていると説明、説教は誰も読みたくない。著者の作品は人を物語の中に導くのが旨いと思う。知らないうちに江戸、深川の街においてくれる。
弱いものには優しく、著者の作品に根底に流れる視点が温かい家族ともに生きる様が心地よい。幼児虐待などを取り上げたところで、子供は授かりものだ!子供を作る、作らないとは?声を大にして子供は授かりものだ!と言っている。