投稿者 スレッド: だいこん  (参照数 300 回)

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だいこん
« 投稿日:: 6月 02, 2015, 04:41:30 pm »
書名:だいこん
著者:山本 一力
発行所:光文社
発行年月日:2008/1/25
ページ:629頁
定価:914円+税

この作品もやっぱり額に汗する人、誠実に懸命に生きる人を爽やかに描いている。現在の虚業からは見えてこない実業の世界を志向している。この本を読むのは2回目です。

江戸下町浅草、深川を舞台に一人の少女「つばき」が飯炊きから、一善飯屋を創業して発展させていく物語。商売の基本が一杯、売価の決め方、原価、仕入れの仕方などビジネス書よりもよく分かる。また客とのコミュニケーション、店員の教育、指示など。また経営者としての心構え、対応の仕方など現代に通じるビジネス書という内容です。ただ舞台が天明の頃のこと。

「つばき」が関わっていく人々の対応の仕方、応援など人付き合いのうまさ、誰でも見方につけてしまう。でもそこには確りとした人間として基本的なことが身についている。この基本的なことが何か?判っているようで判らない人が多いが、この物語ではさり気なく語っている。肩肘張らずに楽しめながら読むことの出来る本です。でも中身は深い深い。ちなみに「だいこん」は店の名前です。