書名:かび
著者:山本 甲士
発行所:小学館
発行年月日:2003/8/20
ページ:349頁
定価:1700円+税
幼稚園の送り迎えで些細なトラブル、母親同士の陰湿な嫉妬いやみ、繰り返される姑のいやみ35歳の専業主婦伊崎友希江。毎日帰りの遅い夫と幼稚園に通う娘と3人暮らし。平凡な日常を送っていたある日、夫の文則が突然、会社で脳梗塞で倒れてしまう。文則は地元企業「ヤサカ」の研究所に勤務していた。
化学会社の研究所でダイオキシンを無毒にする装置の開発に携わっていた。毎日のように残業で深夜帰り、友希江は夫の病気の原因は仕事のストレスと考えるが、会社側は日常の食生活、運動など本人の節制などを理由に労災申請しないように強要してくる。そして企業戦士として使えなくなった夫を遠方の子会社へ配置転換、そして退職強要を迫ってきた。
会社の対応に怒った友希江は地元の有力新聞に投稿するが、新聞社はヤサカに連絡する。新聞社すらもヤサカの勢力下にあった。その投稿を握りつぶしただけではなく友希江の兄弟の仕事にまで圧力をかけてきた。
誰にでもある日常の普通の生活から、主婦一人、地元の大企業相手に、手段を選ばぬ報復を決意する。
その後は読んでください。
最近知ったのですが、山本甲士はALWAYS 三丁目の夕日、ALWAYS 続・三丁目の夕日の作者だったんですね。この作品はALWAYSとはまた違った種類の作品です。