投稿者 スレッド: 黎明に起つ  (参照数 288 回)

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黎明に起つ
« 投稿日:: 9月 26, 2014, 12:52:04 pm »
書名:黎明に起つ
著者:伊東 潤
発行所:NHK出版社
発行年月日:2013/10/25
ページ:315頁
定価:1600円+税

北条早雲の名前で有名ですが、伊勢新九郎、伊勢宗瑞又は早雲庵宗瑞と名乗り。生前北条早雲を名乗ったことはなかった。北条の苗字を名乗るのは二代氏綱の時代からです。

北条早雲といえば、素浪人から相模を支配する大名になった“梟雄”で、60歳を過ぎてから活動を始めた大器晩成型の武将とのイメージが強い。また早雲は謎が多い。諸説があるが、この本では早雲が室町幕府の申次衆を務める備中伊勢氏に生まれ、応仁・文明の乱の騒動に巻き込まれながら、姉の嫁ぎ先、駿河今川家の家督・相続争いに下向した。それが縁で伊豆、相模、関東の地の覇権を打ち立てた壮大な一代記です。

この時代でも京都・大坂は正史に良く出てくるのですが、この小田原北条氏はマイナーの位置でなかなか出てこない。江戸時代以前の関東の地の動向がよく分かる。鎌倉公方、堀越公方、古河公方と関東管領など。これらば時には味方、時には敵となって関東の地が乱れに乱れる。幕末のように理解するのが難しい時代です。太田道灌の頃から公方と関東管領の動きがよく分からない。

関東の歴史は知られないところが多いし、諸説一杯あって面白い。小田原北条氏も通説ではなく、最近の研究成果も盛り込んである。