書名:世界は俺が回している
著者:なかにし 礼
発行所: 角川書店
発行年月日:2009/12/25
ページ:429頁
定価:1800 円+税
作者なかにし礼の知人で,元TBSの音楽プロジューサー渡辺正文の音楽と女性に賭けた半生を描いた小説。ノンフィクション?芸能界、テレビ関連の人達が実名で登場する。
渡辺正文の叔父は電通中興の祖と言われた吉田秀雄、そのコネでラジオ東京(後のTBS)に入社します。
昭和30年代からテレビに来日アーティストの音楽番組をつぎつぎと成功させ、昭和50年代からは東京から世界へ向けて音楽を発信していこうということで「東京音楽祭」のプロジェクトに邁進、その時世界を回したと言う、「ギョロなべ」の異名で親しまれた渡辺正文の生涯と、昭和のテレビ時代、高度成長期時代を謳歌する華やかな芸能界の様子が描かれている。昭和に思いを馳せる作品です。
今ならば横領事件と言われるような仕事一辺倒で、お金には無頓着、破天荒な半生、昭和のよき時代だったのかもしれない。こんなプロジューサーはこれからも出ないし、こんなことをやっていたら即クビになってしましますね。故人だから書けるということもあるのでしょう。