書名:地下鉄に乗って
著者:浅田 次郎
発行所:徳間書店
発行年月日:2006/7/31
ページ:316頁
定価:1600円+税
地下鉄永田町駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発して自殺した兄がそこに現れた。時代をタイムスリップして物語は進んで行く。戦後財閥を築いた父親に反発し、母と共に家を出て、怪しげな下着を売っているしがないセールスマンが主人公小沼真次。
東京オリンピックの年、戦後の混乱期、戦争中の満州、大正末期と、時を遡りながら自分のルーツを探る。会社の同僚で恋人みち子も同様に真次と同じ体験をする。地下鉄の駅が時間の窓、地下鉄の駅の出入り口で時代が変わっていく。私小説です。吉川英治文学新人賞に輝く浅田文学の原点!最後には驚がくの結末が。