投稿を表示

This section allows you to view all posts made by this member. Note that you can only see posts made in areas you currently have access to.


Topics - admin

ページ: 1 ... 2315 2316 [2317] 2318 2319 ... 3920
34741
本に出会う / 緒方洪庵
« 投稿日:: 9月 10, 2017, 11:35:27 am »
書名:緒方洪庵
著者:梅溪 昇
発行所:吉川弘文館
発行年月日:2016/2/20
ページ:293頁
定価:2,300 円+税

吉川弘文館の人物叢書(日本歴史学会編集)シリーズは比較的史実に近い内容
で、伝記小説などと比べるとき便利なシリーズです。ちょっと難しい本ですが。

来年は明治150年、明治維新前後のことにちょっと興味を持って調べています。
その中で幕末・明治に活躍した人々に多くの影響を与えている緒方洪庵に注目
してみました。

日本では明治5年12月2日(1872年12月31日)まで太陰太陽暦(以下、旧暦)を
採用していたため、明治元年はさかのぼって数えている。グレゴリオ暦の場合

 旧暦明治元年1月1日から11月18日まで - 1868年(1月25日から12月31日まで

 旧暦明治元年11月19日から12月30日まで - 1869年(1月1日から2月10日まで


緒方洪庵は備中足守藩(岡山県)の貧しい下級武士の子として生まれ、中天游、
坪井信道、宇田川榛斎に師事して蘭方医としての理論実践、適塾の経営人材の
育成など多岐に渡っています。特に医学だけで無く、数学、化学、物理、儒学
などにも優れています。当時の蘭方医というのは医学だけではなく広範囲な分
野を学んでいたようです。医学の理論書の翻訳をするとすぐに配布して誰でも
読める・学べるように普及に努めた。種痘の方法なども普及所を作って推進し
ている。(自分だけの学問に閉じこもらず、判ったことは公開している)

幕末を代表する教育者として、吉田松陰と並び証せられるが、吉田松陰の言う
だけの人とは違って実践・理論においても格段に優れた人だと思う。何故、松
陰が神になるのか?明治の異常な熱気だったのか?
適塾からは600人(名簿が残っている)以上(1000人とも)の人材を輩出して
いる。橋本左内(福井藩士)高松凌雲(幕府奧医師)大村益次郎(長州出身の
軍人)福沢諭吉(慶応義塾の創設者)大鳥圭介(幕臣、外交官)佐野常民(日
本赤十字社の創設者)長与専斎(文部省医務局長、東京医学校校長)手塚良庵
(手塚治虫の曽祖父)幕末明治の著名な人物を育てています。故郷に帰って後
進を指導しつつ、近代日本の建設に活躍した者が多かった。

ベルリン大学フーフェランド教授の「内科書扶氏経験遺訓」に感激し、30巻に
及ぶ翻訳書を書き上げる。その抄訳を“医師の義務“を愛弟子に伝えるべく12
か条の医戒を著わした。世に名高い「扶氏医戒之略」であり、今でも十分通用
する医戒です。緒方洪庵の精神的骨格はここに集約されています。特に最初の
1,2条は医者をそれぞれの立場に変えて読むと「やるべき事の本質」が見えて
くると思う。

-----------------
扶氏医戒之略
一、医の世に生活するは人の為のみ、おのれがためにあらずということを其業
の本旨とす。安逸を思はず、名利を顧みず、唯おのれをすてて人を救はんこと
を希ふべし。人の生命を保全し、人の疾病を復治し、人の患苦を寛解するの外
他事あるものにあらず。

一、病者に対しては唯病者を見るべし。貴賤貧富を顧ることなかれ。長者一握
の黄金を以て貧士双眼の感涙に比するに、其心に得るところ如何ぞや。深く之
を思ふべし。

一、其術を行ふに当ては病者を以て正鵠とすべし。決して弓矢となすことなか
れ。固執に僻せず、漫試を好まず、謹慎して、眇看細密ならんことをおもふべ
し。

一、学術を研精するの外、尚言行に意を用いて病者に信任せられんことを求む
べし。然りといへども、時様の服飾を用ひ、詭誕の奇説を唱へて、聞達を求む
るは大に恥るところなり。

一、毎日夜間に方て更に昼間の病按を再考し、詳に筆記するを課定とすべし。
積て一書を成せば、自己の為にも病者のためにも広大の裨益あり。

一、病者を訪ふは、疎漏の数診に足を労せんより、寧一診に心を労して細密な
らんことを要す。然れども自尊大にして屡々診察することを欲せざるは甚だ悪
むべきなり。

一、不治の病者も仍其患苦を寛解し、其生命を保全せんことを求むるは、医の
職務なり。棄てて省みざるは人道に反す。たとひ救ふこと能はざるも、之を慰
するは仁術なり。片時も其命を延べんことを思ふべし。決して其不起を告ぐべ
からず。言語容姿みな意を用ひて、之を悟らしむることなかれ。

一、病者の費用少なからんことを思ふべし。命を与ふとも、其命を繋ぐの資を
奪はば、亦何の益かあらん。貧民に於ては茲に斟酌なくんばあらず。

一、世間に対して衆人の好意を得んことを要すべし。学術卓絶すとも、言行厳
格なりとも、斎民の信を得ざれば、其徳を施すによしなし。周く俗情に通ぜざ
るべからず。殊に医は人の身命を依托し、赤裸を露呈し、最密の禁秘をも白し、
最辱の懺悔をも状せざること能はざる所なり。常に篤実温厚を旨として、多言
ならず、沈黙ならんことを主とすべし。博徒、酒客、好色、貪利の名なからん
ことは素より論を俟ず。

一、同業の人に対しては之を敬し、之を愛すべし。たとひしかること能はざる
も、勉めて忍ばんことを要すべし。決して他医を議することなかれ。人の短を
いうは、聖賢の堅く戒むる所なり。彼が過を挙ぐるは、小人の凶徳なり。人は
唯一朝の過を議せられて、おのれ生涯の徳を損す。其徳失如何ぞや。各医自家
の流有て、又自得の法あり。漫に之を論ずべからず。老医は敬重すべし。少輩
は親愛すべし。人もし前医の得失を問ふことあらば、勉めて之を得に帰すべく、
其治法の当否は現病を認めざるに辞すべし。

一、治療の商議は会同少なからんことを要す。多きも三人に過ぐべからず。殊
によく其人を択ぶべし。只管病者の安全を意として、他事を顧みず、決して争
議に及ぶことなかれ。

一、病者曽て依托せる医を舎て、窃に他医に商ることありとも、漫りに其謀に
与かるべからず。先其医に告げて、其説を聞くにあらざれば、従事することな
かれ。然りといへども、実に其誤治なることを知て、之を外視するは亦医の任
にあらず。殊に危険の病に在ては遅疑することあることなかれ。


 右件十二章は扶氏遺訓巻末に附する所の医戒の大要を抄訳せるなり。書して
二三子に示し、亦以て自警と云爾。


     安政丁巳春正月
                             公 裁 誌



34742
東京新聞:今も響く 桐生悠々発行「他山の石」 親族警鐘「戦前の雰囲気」:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201709/CK2017090902000240.html

34743
避難住民は帰ってきたのか――。 避難指示解除の9市町村の状況は
http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/595

34744
政府・東電は、水張りなしでデブリ取り出しを目指すというが…
http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/601

34745
福島原発関連 / ヘリから見た福島第一
« 投稿日:: 9月 07, 2017, 12:41:25 pm »
ヘリから見た福島第一
http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/599

34746
東京新聞:柏崎刈羽原発、13日「適合」へ 「東電資格ない」一転:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201709/CK2017090702000120.html

34747
雑談 / 今すぐ無料で手に入る150の辞書
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 11:03:47 pm »
今すぐ無料で手に入る150の辞書
ー国会図書館デジタルコレクションが提供する日本の辞書を分野別に紹介します
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-763.html?sp

近代デジタルライブラリーの終了(平成28(2016)年5月末)に収集されていた
資料は国会図書館デジタルコレクションに統合されています。

そこには古今の辞書・辞典類がたくさん収集されています。お勧めは一杯あります
が、子供の頃から良く学校の図書館で暇があると読んでいた朝日年鑑などはなかなか
面白いです。歴史の評価は時間が必要ですので、○○事件なんて名前がついていない
事件、出来事などがそのままの形で出てきます。昭和24年まであると、戦前と戦後の
違いなど比べることも出来ます。

朝日年鑑 大阪朝日新聞社 編 (朝日新聞社, 1926〜1949)
毎日年鑑 大阪毎日新聞社 編 (大阪毎日新聞社, 1927〜1937)
大日本博士録 全5巻 (発展社, 1930)
日本紳士録 (交詢社, 1911〜1944)などなど

34748
雑談 / 俚謡集 りようしゅう
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 11:01:09 pm »
国立国会図書館デジタルコレクション - 俚謡集 りようしゅう
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879145

34749
雑談 / 信長公記(原文)
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 09:57:57 pm »

34750
本に出会う / 天の梯 みおつくし料理帖
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 09:28:30 pm »
書名:天の梯 みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2014/8/18
ページ:338頁
定価:620 円+税

いよいよ完結です。『食は、人の天なり』――医師・源斉の言葉に触れ、料理
人として自らの行く末に決意を固めた澪。吉原のあさひ太夫こと幼馴染みの野
江の身請けについてはあっという案が、周りの人の協力を得ながら自分と野江
の未来を切り開いていく。厚い雲を抜け、仰ぎ見る蒼天の美しさを見ることが
出来るか?
10巻の「みをつくし料理帖」シリーズですが、読んでみると短い。もっと長く
続けて欲しいという気持ちとこれくらいが良いところかなという気もする。あ
と何年かのちにその後を書く予定とか。期待したい。
 巻末に文政十一年の「料理番付」が添えられております。「みをつくし料理
帖」シリーズ、堂々の完結。

東の大関に つる屋
西の大関に みをつくし


34751
本に出会う / 美雪晴れ みおつくし料理帖
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 09:23:04 pm »
書名:美雪晴れ みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2014/2/18
ページ:327頁
定価:620 円+税

悲しい出来事が続いた「つる家」、名料理屋「一柳」の主・柳吾が病気になっ
てその介護に尽くした芳、その芳に柳吾が求婚した。返事を渋る芳にはある思
いが。幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについていろいろ悩んでいる澪。
又料理人としてどう生きていくか?苦悩しながら・・・完結に向けていろいろ
な複線が張ってある。
「みをつくし料理帖」シリーズ。幸せの種を蒔く、第九弾。

34752
本に出会う / 日本擬人名辞書
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 09:04:32 pm »
書名:日本擬人名辞書
著者:宮武 外骨
発行所:半狂堂
発行年月日:大正10年5月22日(1921年)
ページ:69頁
定価:3円

宮武外骨(がいこつ、晩年とぼね、幼名亀四郎)是本名也という判子を作って
疑われそうな所では名前の近くに押していたとか。宮武外骨は入獄4回、罰金、
発禁処分29回。明治、大正、昭和を生きた反骨のジャーナリスト。弾圧され
てもひるむどころか、逆手にとってユーモアとしゃれで権力に立ち向かい続け
ました。大正・昭和時代に活躍した人ですが、面白い書物を発行しています。

この日本擬人名辞書というのは悪太郎(性格の良からぬ人物を称す)甘太郎(
辛み無き人、俗に言うお心よし)坂東太郎・四国二郎・筑紫三郎(利根川・吉
野川・筑後川)市松(石畳の模様をいう)薩摩守忠度(ただ乗りをいう)八王
子の三太郎(愚者をいうなり)骨川三内(痩せたる人をいう)等々昔から擬人
名がありますが、それをまとめた辞典です。今だと差別用語、放送禁止用語等
も入っていますがなかなか面白い本です。

国立国会図書館デジタルコレクション - 日本擬人名辞書
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/927252

34753
本に出会う / 深重の橋
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 08:38:35 pm »
書名:深重の橋(上)
著者:澤田 ふじ子
発行所:中央公論新社
発行年月日:2010/2/25
ページ:376頁
定価:1700円+ 税

書名:深重の橋(下)
著者:澤田 ふじ子
発行所:中央公論新社
発行年月日:2010/2/25
ページ:425頁
定価:1800円+ 税

この本は2回目です。応仁・文明の乱(何とも良くわからない戦い)の前後が
舞台。長い長い目で見るとこの時代から足軽で戦さが決まるという戦術になっ
てきた。一人の剣術者だけでは戦さにならなくなった。将軍足利義政はだめ将
軍の烙印を捺されているが、当時は親父の義教は部下に殺されている。まとも
に将軍の仕事を極めようとするとすぐに殺されてしまうので、ばか殿を演じて
いたのではないか?自分が美しいと思うものを極めた。それには身分を問わず、
河原ものといわれているものでも、身分制にこだわらない自由さがある。そし
て義政の東山文化が現代の日本の文化の原点となっている。応仁・文明の乱(
10年戦争)はなれ合いの戦争。誰も一気に勝ちに行かなかった。そんなところ
も中世的なのかもしれない。室町時代の時代背景がよくわかると思う。

以前のもの
--------------------
室町時代応仁・文明の乱の頃、実在していた宇野玄周をモデルに著者が創作し
た小説。十五歳の少年“牛”が3人の女とともに人買い商人の手で湯屋(風呂屋
)へと売り飛ばされた。狡猾な主が課す苛酷な労働に耐え、牛は逞しい男へと
成長する。一緒に売られてきた女と心を寄せ合う湯屋を逃げ出すのだが・・・
京都を焼き尽くした応仁・文明の乱、戦火ばかりだけではなく、疫病・飢饉の
頻発、土一揆で民は塗炭の苦しみの襲われた。将軍は義政。政治民は眼中にな
く、同朋衆、作庭、能、お茶、銀閣寺の造営などに夢中になった人。五山の送
り火(大文字)をはじめた人とも言われている。後世義政の評価は良くない。
でも作者は日本の文化の萌芽は義政が築いたと評価している。

底辺から這い上がった牛という人物を通して応仁・文明の乱、室町時代を生き
た庶民を描いている。河原者と呼ばれた非人、動物の皮を加工して武具を作る
商人などが日本の文化を創り出して来た。中世を事細かに調べて詳しい説明を
しながら物語が進む(うっとうしいくらい)。連載小説でやむを得ないのかも
しれないけれど、何度も同じ説明が出てくる。ちょっとくどい。整理されてい
ない。

そんな場面がいくつか出てくる。文章を1/3位削ってしまうともっとよく分か
り、作者の意図が見えてくるのではないかと思う。そして一番の課題は物語を
創造するという能力が劣っている感じがする。題材を見つけることには良い着
眼点があるが、物語を作る、語り部としての才はちょっと言う感じがする。こ
れはどの作品をとってもそんな感じ。

針小棒大に歴史の残片を調査、推測することは非常に熱心ですが、歴史的に見
て分からないことも当然あるし、調べきれないところは作者の推測で補ってい
るが、断定的なところがちょっと気に掛かる。この小説はそのまま日本芸能史、
生活史という視点で見ると一つの資料を与えてくれる。

本書より
--------------------------------
「艱難汝(かんなんなんじ)を玉にす、匹夫も志を奪うべからず、篳路襤褸(
ひつろらんる)ともいうぞよ」
☆作者の創作☆
身は破れ車、運命悪ければ人に売られこそする。先の見えない十五の涙
☆「閑吟集」☆
人買ひ舟は沖を漕ぐ とても売らるる身を ただ静かに漕げよ 船頭殿
☆謡曲「葵上」☆
世の中の情けは人のためならず。われ人のため辛ければ。われ人のため辛けれ
ば必ず身にも報うなり
☆落首☆作者の創作
京ニ多キ禅坊主、唐ニ学ビテ励メドモ、思案イタシテ着ク先ハ、ワガ身ノ名利
出世ナリ、権門富家ニ近ヅキテ、賢シラゲナルソノ面デ、歌ヲ詠メドモ美辞麗
句、飢エテ死ニタル人ノタメ、経文ヒトツ読ミモセズ、道ヲ説キタルコトモナ
ク、高(高値)キ衣ニ包マレテ、三昧聖ノ阿弥衣ヲバ、破レ臭キト笑フナリ、
執沙汰者ニイハセレバ、死者ヲ弔フ者ナクバ、此ノ世ニ迷フ者多ク、弥陀ノ嘆
キモ深カラン。イヅレハ死ヌル其輩、冥府ノ沙汰ハイカニヲヤ


34754
本に出会う / 霖雨
« 投稿日:: 9月 06, 2017, 08:20:54 pm »
書名:霖雨
著者:葉室 麟
発行所:PHP研究所
発行年月日:2014/11/25
ページ:397頁
定価:740 円+税

豊後日田(大分県)は天領で九州探題とも位置づけられるところです。交通の
要路であり、物資、情報も集積する場所、そんなところに私塾・咸宜園(かん
ぎえん)を主宰する広瀬淡窓(たんそう)、家業を継いだ弟・久兵衛。代官所
に赴任した塩谷郡代、やり手で領内の治水、干拓に近江屋久兵衛に強引な協力
をさせて次々と業績を挙げていく。
しかし領民からすると怨嗟の的。そして次に狙ってきたのは諸国に有名な私塾
・咸宜園の運営への参画。画期的な教育方針を打ち出す淡窓に霖雨(何日も降
りつづく雨。ながあめ。)のように咸宜園が思うように運営できなくなってく
る。大坂では大塩平八郎の乱が起きるなど、時代の転換期、郡代の権力の横暴
に耐え、それでも自分の生き方を貫こうとする広瀬兄弟の物語。

物語の始まりは広瀬淡窓の元へ安芸からやってきた臼井佳一郎と千世の姉弟が
入門を願い出てきたことから始まる。郡代の横暴ともにこの2人と共に物語が
進む。幕末の儒学者広瀬淡窓の生き様を描く。「咸宜園」は文化2年(180
5)日田の地で、淡窓により創設され、明治30年まで存続した。身分を問わず
入門が許され、誰でも成績で上のクラスに上がれる、全寮制。高野長英、大村
益次郎など幕末・明治に活躍した多くの人がいる。

広瀬勝貞(大分県知事)は広瀬兄弟の子孫、この本の最後に著者と広瀬勝貞氏
の対談も収録されいる。

本書より
---------
しみじみと心中を述べる淡窓に目を向け、
久兵衛はおもむろに口を開いた。
「お教え、肝に銘じます」
「そなたを諭しておるのではない。
 自らに言い聞かせているのだ。
 たとえ霖雨の中にあろうとも進むべき道を
 誤ってはなるまいとな」
「われらは、これより後も雨中を進まねば
 ならぬのでございましょうか」
「それが慈雨となる道であろうが、さて・・・」


34755
2033年、日本のマンションがスラム化する(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52270

ページ: 1 ... 2315 2316 [2317] 2318 2319 ... 3920