投稿者 スレッド: 人間のロボット化や情報洪水を防ぐには情報学的転回が重要  (参照数 530 回)

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人間のロボット化や情報洪水を防ぐには情報学的転回が重要

ずっと以前から注目していた西垣通東大教授の情報学的転回。情報というもの
には「生命情報」、「社会情報」、「機械情報」の3種類があるという。今、
IT革命などで使われている情報という言葉は「機械情報」を指しているので
すよ。と非常にわかりやすく説明してくれている。
 「機械情報」はもともと記号、意味内容で構成されている。「機械情報」の
操作に堪能になったとしてもそれが全てではなく、生物にとっての「意味」、
「価値 」が判るわけではない。IT万能で多量に出てくる情報洪水、情報公
害の対処の仕方、指針を考える上で重要な示唆を与えてくれる。
 
「生命情報」、「社会情報」、「機械情報」の3種類で、生物にとっての「意
味」、「価値」を考えたとき実は「生命情報」、「社会情報」の重要度は桁違
いに大きいように感じる。(皆さんも感じているのではないでしょうか)
 ネットワークで人と人とちょっとしたコミュニケーションで対話、会話をし
てもどこかかゆいところに手が届かない。歯がゆい思いを感じているのではな
いでしょうか?そこに記号化する事が難しい「生命情報」、「社会情報」の問
題に行き当たるのではないでしょうか?
 西洋文明のマニュアル文化、法律を作れば判るはず、記述できないものはな
いといったものとは違った東洋の文化、何となく伝わってくる生物にとっての
「意味」、「価値 」が重要になってくるのでは?

「生命情報」、「社会情報」、「機械情報」の重要度は1:1:1の関係ではなく、
独断と偏見で言えば6:4:1位の関係では(みなさんはどう感じられますか?)、
したがってIT革命がどんどん進んだとしてもやっぱり根本的な6:4を構成する
「生命情報」、「社会情報」の理解が深まり、情報の効率化、情報を自在に操
れるということになならないのではなでしょうか?

 今、IT革命に、情報革命等の言葉に惑わされそうになっている時代にちょ
っと立ち止まって考えることの出来る貴重な示唆を与えてくれるような気がし
ます。コンピュータで扱うデジタル・データだけが情報ではないということを
気づかせてくれると思います。今までのアナログ的な手段、方法の中身ももっ
と見直さないと情報過多の時代、自分以外(外野の圧力)の動向で右往左往す
ることになってしまうのではないでしょうか?

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人間のロボット化や情報洪水を防ぐには情報学的転回が重要
http://premium.nikkeibp.co.jp/itm/int/21/index.shtml
東京大学大学院情報学環の西垣通教授より引用

 情報というと、コンピュータで扱うデジタル・データを真っ先に思い浮かべ
てしまいますが、そればかりではありません。現代物理学は、情報が、物質、
エネルギーに次ぐ第3の本質的存在であることを示しました。ただし情報は、
物質やエネルギーと違って、実体がなく、生命と共に発生したものであり、生
物と対象との関係性から生まれるものです。つまり、情報というのは関係概念
なのです。それは、生物にとっての「意味」であり「価値」なのです。つまり、
情報とは「生命にとっての意味作用」なのです。そのため、情報は、人間だけ
でなくあらゆる生物にとって存在します。

情報には、「生命情報」、「社会情報」、「機械情報」の3種類があります。
情報は本来、「生命情報」ですが、以上のAとBとで交わされる商取引のような、
社会的コミュニケーションが行われるとき、生命情報とは違った次元のものが
発生していると考えないといけません。情報学では、これを「社会情報」と呼
んでいるのです。社会情報とは、“社会的に通用する”、特定のある意味を持
った情報であり、生命情報から人間が切り出してきたものです。生命情報が広
義の情報、社会情報が狭義の情報です。社会情報は、「記号(記号表現)」と
「意味内容(記号内容)」のセットから成り立っています。

 生命情報と社会情報に続いて、もう1つ「機械情報」というものがあります。
これが最狭義の情報で、社会情報の中の「記号(記号表現)」だけを独立させ
たものです。「意味内容(記号内容)」は潜在化し、「記号(記号表現)」そ
のものが情報と等値されるのです。機械情報は、社会情報をうまく操作するた
めにできたものなので、順序としては、生命情報、社会情報、機械情報の順に
生成されるのです。

 そして、機械情報を操作する技術が、いわゆるITなのです。文字などのメデ
ィアが発生したとき、初めて「意味内容(記号内容)」から「記号(記号表現
)」が分離され、それによって、機械情報が出現したというわけです。
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