投稿者 スレッド: あきない世傳金と銀3 奔流篇  (参照数 273 回)

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あきない世傳金と銀3 奔流篇
« 投稿日:: 12月 23, 2017, 10:18:55 pm »
書名:あきない世傳金と銀3 奔流篇
著者:髙田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2017/2/18
ページ:297頁
定価:580 円+税

この本は大変人気があってなかなか順番(図書館で)が廻ってこない本です。
ようやく廻ってきました。前回の内容を思い出すのが大変、一応読書メモを確
認して話の筋に入っていくことが出来ました。

大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・
四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で
寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と
宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくの
か。ここからが本編です。惣次の嫁になって、惣次の夢の実現に協力していく
幸。つぶれかかっている呉服商「五鈴屋」を立て直し、5年後に「江戸」に店
を出すという惣次の夢。これを実現するのは至難の業、でも二人はその無謀な
夢に挑戦していく。

商人を卑しい商売と蔑んで見られていた時代。商人の存在意義を説いた石田梅
岩の都鄙問答(封建社会の儒教倫理に沿って職能として士農工商それぞれの社
会的意義を考え、経済と道徳の一致を説き商人にも流通の役割の価値を見出し、
利益を追求することの正当性を強調している)を読む幸、商いの位置づけを探
る。惣次は全く興味を示さない。学者の娘の幸、惣次の仲はよりつ戻りつとこ
れからの二人、「五鈴屋」の不透明さがみえながら物語は進む。次編も楽しみ
です。

国立国会図書館デジタルコレクション - 日本教育文庫. 心学篇 都鄙問答
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1708833


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