投稿者 スレッド: 今こそ<暗闇の思想>を 原発という絶望、松下竜一という希望  (参照数 347 回)

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書名:今こそ<暗闇の思想>を 原発という絶望、松下竜一という希望
著者:小出 裕章
発行所:一葉社
発行年月日:2013/1/15
ページ:115頁
定価:1000円+税

大分県中津市出身のノンフィクション作家松下竜一さん(2004年死去)をしのぶ2012年年6月の「第8回竜一忌」で、京都大原子炉実験所の小出裕章助教が原子力発電所の問題などについて講演した内容を書き起こした本です。小出裕章氏の講演を聞いている人にとってはおなじみの内容、小出さんの松下竜一さんへの思いがこもった話になっている。

松下さんが約40年前、第一次石油ショックの頃、有限の資源に頼った物の氾濫する時代、未来の自然環境や生活環境を守ろうと、貧しさにめげず「暗闇の思想」を執筆し世の中に問題提起した。夜は本来暗いもの、暗くて何がおかしいのか?暗闇にも暗闇の良さがある。煌々と電気が灯さないといけない生活どこかおかしいのではと。

当時は豊前火力発電所建設反対の運動を始めた。「今ある電気で充分、それ以上増やす必要はない。」そしてこれ以上自然を壊す必要はないという主張。売れても売れなくても年収200万円、これ以上は稼ぐ必要はないと質素な生活を貫いた作家松下竜一さんのしのぶ会に相応しい内容だったのではないか。

本書より
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泥のごと できそこないし 豆腐投げ 怒れる夜の まだ明けざらん
老い父の 味噌汁の好み 問う汝よ 我妻となり 目覚めし朝に
ルーソーの 童画切抜き 妻は貼る 妻の壁よと 定めてやれば
                       松下竜一