投稿者 スレッド: 絹の筵旗 爆裂・正義なき上州一揆  (参照数 660 回)

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絹の筵旗 爆裂・正義なき上州一揆
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 10:05:59 pm »
書名:絹の筵旗
   爆裂・正義なき上州一揆
著者:高橋 直樹
発行所:祥伝社
発行年月日:1999/7/20
ページ:386頁
定価:1900円+税

江戸時代中期(田沼意次時代)の上州(藤岡、富岡、下仁田街道沿い、高崎)で
は生糸の生産が盛んで、藤岡は絹市場おかれたところ。江戸の豪商の買い付け先
として、急速な発展を遂げている街だった。好調な景気に浮かれる藤岡で、ある
在郷商人の提案による絹糸改会所の設置が幕府より命じられた。財政難に苦しむ
幕府の運上金の取り立てを行う手段と見えた会所。しかしそこには裏があった。
絹市場を独占する絹宿衆(江戸豪商)とその利権を狙う在郷商人の対立の構図。
この改会所を撤廃に追い込むべく、絹宿衆、在郷商人、博徒、やくざが絹生産百
姓を巻き込んで、みんな別のゴールをめざし、数万にふくれあがった一揆勢。

上州は何故か、博徒、やくざの多い地。そこには幕府の統治の仕方にあったので
は。大名の支配地は少なく、旗本などが支配する小さな支配地、幕府の直轄地な
どが入り交じった地域。そのため国境を越えると逃げることができる悪党にとっ
ては良いところ。そんな地を背景にこの一揆事件に博徒が活躍する。今までの一
揆とはちょっと違った一揆感です。