投稿者 スレッド: 天涯の船  (参照数 1142 回)

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天涯の船
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 03:28:27 pm »
書名:天涯の船(上巻)
著者:玉岡かおる
発行所:新潮社
発行日:2003/2/25
定価:1.600円+税

書名:天涯の船(下巻)
著者:玉岡かおる
発行所:新潮社
発行日:2003/2/25
定価:1.600円+税

 日本が激動した時代、明治、大正を波乱の人生を送った女性の物語。アンティ
ークのオークションに絡む手紙から始まる。姫路藩家老の娘、美佐緒の身代わり
のミサオとして、下働きの娘が蒸気船に乗せられアメリカに向かう。明治の女性
が留学生活を送る。留学時代に知り合った桜賀光次郎(後の川崎造船所社長)、
ヒンメルヴァンド子爵の2人と主人公ミサオ(実は菊乃)の波瀾万丈の物語、明治
、大正、昭和という3つの時代と日本、アメリカ大陸、ヨーロッパにまたがる大恋
愛もさることながら、近代化を進める明治や戦争へ向かう大正の日本の様相がミ
サオという女性の目を通して描かれている。松方コレクションで有名な松方幸次
郎とドイツの公爵家へ嫁いだクーデンホーフ光子をモデルにした後も見られるが
、なかなかの力作である。この作家も注目したい一人です。