投稿者 スレッド: 原発文化人50人斬り  (参照数 488 回)

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原発文化人50人斬り
« 投稿日:: 5月 04, 2013, 10:11:15 pm »
書名:原発文化人50人斬り
著者:佐高 信
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2011/6/20
ページ:212頁
定価:1500円+税

2011.3.11原発事故が起こって原発を推進してきた御用学者、財界人、政治家、芸能人、マスコミなどが原発安全神話をねつ造してきたことが段々明らかになってきている。この本はフクシマの惨事を招いた者たちに怒りをこめて告発している。吉本隆明、ビートたけし、大前研一ら原発を推進した文化人50人を俎上にして原発翼賛メカニズムを暴いている。

この本に書かれている原発文化人。
金美齢 寺田農 荻野アンナ 薬丸裕英 福澤朗 松本零士 藤沢久美 関村直人 大宅映子 草野仁 養老孟司 福島敦子 北野大 三宅久之 木場弘子 岸本葉子 野口健 豊田有恒 鈴木篤之 住田裕子 西山英彦 渡瀬恒彦 吉村作治 小宮山宏 中曽根康弘(超A級戦犯) 梅原猛(中曽根系文化人) 班目春樹(有害御用学者) ビートたけし(タイコ持ち芸人) 吉本隆明(耐用年数の切れた蛍光灯) 渡部恒三(故郷の福島を売った原発族) 大前研一(半体制の原発コンサルタント) 堺屋太一(原発反対つぶしの協力者) 清水正孝 弘兼憲史(原発礼賛の宣伝芸者) 与謝野馨(原発必要論だけは変わらず) 幸田真音(フクシマの惨事をよそに「祝宴」に興じた無神経作家) 勝間和代 星野仙一 小沢遼子 蟹瀬誠一 山折哲雄 小佐古敏荘 岡江久美子 浅草キッド 茂木健一郎 中畑清 大熊由紀子 田原総一朗 アントニオ猪木 

勝間、星野、草野…原発CMに汚染された“黒いタレント”たちの苦しい言い訳
http://www.mynewsjapan.com/reports/1423
新聞「原発広告」知識人は増田明美、橋本登代子、森田正光、辰巳琢郎、住田裕子
http://www.mynewsjapan.com/reports/1450
木場弘子、白河桃子、藤沢久美、浅草キッド…原発の“黒いカネ”で稼いだ雑誌の広告塔たち
http://www.mynewsjapan.com/reports/1430

原発推進派のすさまじさがこの逸話でよく分かると思う。原発反対派の記事を100日、賛成派の記事を1日載せてようやく平等になると佐高は主張する。それだけ資金力、マスコミを動かす力がすさまじいと言っている。広瀬隆は「放映禁止物体」佐高、小出は「準放映禁止物体」とか、また講演会などでも横やりが入って開催できないことが顕著だとか。

著者は毒舌、辛口で有名、そして徹底的に相手を追い詰める。したがって「窮鼠猫を噛む」如く敵も多い。また独断的な語り口もちょっと品がない。でも言っていることは正論も多い。今回久々に読んで、著者の父親が歌人、そして子供の頃から俳句、短歌にしたしんでいたとか。出身は山形県酒田市、東北は「白河以北一山百文」として政治からも切り捨てられた。と少し斜めからの視点が彼の特徴かなとも思う。攻撃する相手には手厳しいが、味方には凄く優しい。これも特徴かな?
東電中興の祖といわれる木川田一隆さんはほめている。企業の政治献金が問題になったとき、「自民党がつぶれても、東電を潰すわけにはいきません」と言って企業献金を廃止したと。

今度の原発事故の後は「東電が潰れても、私の生活を潰すわけにはいきません」と福島の人たちは言わなければならない。ちょっと総花的でまとまりがない本ですが、他からは出てこない話がいっぱいあって面白い。勿論裏はとっておかないといけないけれど。

以下本書より
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「何年か前、青森県知事選挙があった。原発ストップ派と一時凍結派、そして推進派という構図になったのだが、凍結派が、当事絶大な人気を誇ったアントニ猪木に応援を頼んだ。応援料は150万円である。ところが、その後、推進派がバックにいる電気事業連合会からカネを引き出したのか、1億円を出すと言ってきた。1億円である。それで猪木は150万円を返し、推進派を応援して一億円を得たという。これは猪木の秘書だった佐藤久美子著『議員秘書 捨身の告白』(講談社)に出ている話で、この秘書を猪木や電気事業連合会が訴えることはなかったから事実なのだろう」

「必ず、推進派は息を吹き返すだろう。その波に乗ったのは猪木だけではない。ビートたけしをはじめ、漫画家の弘兼憲史、経済評論家の勝間和代、作家の荻野アンナ、幸田真音、俳優の渡瀬恒彦等、電力会社のPRに協力して、原発安全神話をつくりあげた輩はたくさんいる。彼らを許してはならないのである。弘兼など、被災者に対して、元気を出して下さいなどというメッセージをどこかで出していたが、盗っ人猛々しいと言わなければならない。お前にだけは言われたくない。
被害が広がり、長期化すると、前記弘兼のように、加害者が救世主のごとき顔をする例が出てくる。あるいは、被害者のごとき顔さえする。

魯迅は『水に落ちた犬を撃て』と言った。弘兼や勝間は水に落ちていない犬である。彼らを水に落とし、トコトン撃たなければならない。弘兼もそうだが、大前研一のように、原発を推進したのに、今度は一転、「日本原子力産業は終わった!!」という副題の『日本復興計画』(文藝春秋)を出し、“犯人”が十手を持つかごとき例が少なからず見受けられるからである」

高木仁三郎。『市民科学者として生きる』(岩波新書)に、ある原子力情報誌の編集長から、3億円を用意してもらったので、エネルギー政策の研究会を主宰してほしいと誘いがあったと書かれている。高木は「現在だったら100億円くらいに相当しようか」と注釈をつけている。