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養安先生、呼ばれ
« 投稿日:: 3月 03, 2014, 10:43:35 pm »
書名:養安先生、呼ばれ
著者:西木 正明
発行所:恒文社21
発行年月日:2003/10/15
ページ:486頁
定価:2200円+税

久保田藩(秋田)の経営する銀山で幕末、日本の銀の6割を産出した院内銀山、その銀山で医師であり銀山の経営者の一端を担い、宿屋を営んでいた門屋養安が主人公。この人は35年に渡り、銀山の経営、技術、物資の流通、病気と治療、祭礼、行事、芸能、飢饉、幕末の大政奉還、官軍との戦いなどを克明な日記として残していた。この「門屋養安日記」から題材をとって読み物風に綴ったのが本書です。

文人にして趣味人、その上酒好きの風流人の養安、人に頼まれていやと言えない人の良い性格。養安がのびのびとこの物語の中を闊歩している。楽しい本です。
長崎の出島経由で伝搬した種痘より30年も早く、ロシア経由で函館、久保田藩で養安なども参加して普及に力を入れていた。江戸時代酒田港を通じて諸外国の新しい物品、技術、情報が秋田の地にも伝わっていた。太平洋側よりも進んでいた。また銀山の景気が良かったので裕福な生活をしていたことが伝わってくる。