投稿者 スレッド: 三千枚の金貨  (参照数 267 回)

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三千枚の金貨
« 投稿日:: 2月 13, 2015, 09:24:01 pm »
書名:三千枚の金貨(上)
著者:宮本 輝
発行所:光文社
発行年月日:2010/7/25
ページ:270頁
定価:1500円+税

書名:三千枚の金貨(下)
著者:宮本 輝
発行所:光文社
発行年月日:2010/7/25
ページ:276頁
定価:1500円+税

この物語は斉木光生という主人公が入院していたとき、同じ病院の休憩室で深夜芹沢由郎という末期ガンの病人にささやかれた一言
---------(本文より引用)
「桜の満開の時分にそこに立つと、背後から昇ってきた日の出によって長く伸びた自分の影が、正面の低い山の麓にあるたった一本きりの桜の木を覆う。
そこから桜までの距離は約七百メートル。あいだのは滅多に車の通らない県道と畑と田圃しかない。
溜息をついて呆然と見惚れるほどに美しい花を咲かせるその桜の木の根元にメープルリーフ金貨を埋めた。1/4オンス、1/2オンス、1オンス、合せて三千枚。(中略)
場所は和歌山県。みつけたら、あんたにあげるよ。」
---------
文具メーカーに勤める斉木と同じ会社の仲間の宇都木、川岸の二人に話をする。そのとき看護婦で芹沢由郎の看護をしていた室井沙都。今は銀座のショートバーのマダム。その4人がこの一言で金貨探しを企てる。ゴルフの話、シルクロードの旅の話とかなり散文的に散りばめられている。ちょっと謎を追いかけながら物語が展開する。40代の中年の男たちの生活、感じ方などが面白い。