投稿者 スレッド: 99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方  (参照数 447 回)

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99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
« 投稿日:: 11月 14, 2012, 12:18:11 pm »
書名:99.9%は仮説
   思いこみで判断しないための考え方
著者:竹内薫
出版社:光文社
発行年月日:2006.2.20
定価:700円+税

世界は仮説で出来ている。科学だけではなく、私たちを取り巻く世界も実は
仮説に満ちあふれています。親から教わることも、教科書にのっていること
も、誰もが当たり前だと思っている常識や習慣や定説も全部が全部仮説に過
ぎないのです。そして仮説であるからこそ、覆すことも可能なのです。
 (本書もくじより)

ちょっと科学を絶対的なものとして捕らえている科学の苦手な人にとっては
目から鱗の本だと思う。少しでも科学の周辺にいる人にとっては当たりまえ
のこと。数学は証明が出来るが、科学は証明が出来ない。ある仮説を元に、
ある条件の元での再現性、仮説にあうデータを集めて仮説を検証していると
いうこと。科学で証明された。という言葉の嘘を知っている。

 科学をすればするほど益々判らないことがいっぱいあること。科学で判っ
たことは本当にごく少数のこと。科学というのは数学よりももっと哲学的、
宗教的なもの。世の中の思想、常識に寄って科学は支配されている。天動説
、地動説を振り返っても判ることだろう。

 科学的に証明された。論理的に証明が出来るという言葉の嘘に振り回され
ない柔軟な発想を!頭を柔らかくしてくれる本です。
 ”飛行機の飛ぶ原理は実は良くわかっていない”えぇって驚く人がいるか
も知れないけれど正確に証明出来ないとのこと。今でも論争が起こっている
。でも実際飛行機は飛んでいる。原理原則は判らなくても実際は飛んでいる。
そんな事象は無数にある。でも科学的に証明されているとは言えない。

 ある仮説で説明すると何となくよく説明出来ているに過ぎないことが多い。
ニュートン力学からアインシュタインの相対性原理。相対性原理1900年発表
100年も立っているのにほとんどの人は理解出来ていない。これもひとつの仮
説、100年後はまた違った仮説が登場していることだろう。仮説は次の仮説に
とって変えることの出来るもの。したがって99.9%は仮説。

科学という宗教にマイルドコントールされている人々は一回この本を読んで
自分の心を解き放つ必要があるように思う。科学ですらこんなに仮説で成り
立っている。ITバブル、ライブドア事件等の経済はもっともっと仮説(こ
れは仮説とも呼べないかもしれない)に満ちあふれている。ビジネスモデル
という言葉に騙されてはいけない。単なる仮説に過ぎない(科学の場合は有
る条件下で再現性もあるが、経済の場合大抵再現性はない。これは人という
いきものの心理、行動が大きく影響する)そんなことを感じさせてくれる本
だと思う。

 地球温暖化が大問題になっている。今まで化石燃料を使ってきたのでCO2が
増えたことによって地球が温暖化しているという仮説。
 逆に地球が温暖化することでCO2が増えてきたという仮説も成り立つ。果た
してどちらかな?支持する人が多い方に一時的に分があるようになる。結果
は歴史が教えてくれるのでしょうね。複合的な問題をただ一つ、単純な原因
に求めて単純化して考えたくなるのは判るが、断定的な物の見方は視野を狭
くする。そんな見方に警告を与えてくれる本です。