投稿者 スレッド: 野中広務 差別と権力  (参照数 514 回)

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野中広務 差別と権力
« 投稿日:: 11月 14, 2012, 12:12:17 pm »
書名:野中広務 差別と権力
著者:魚住昭
発行所:講談社
発行年月日:2006/05/15
定価:695円+税

現代史の光と闇を体現する政治家の軌跡、彼は何と闘ったのか?権謀術数を駆使
する老獪政治家として畏怖された男、野中広務。
だが政敵を容赦なく叩きつぶす冷酷さの反面、彼には弱者への限りなく優しいま
なざしがあった。(本書カバーより)
講談社ノンフィクション賞受賞作

私の田舎の近くに船井郡園部町***(現南丹市園部町)がある。ここが野中広
務の出身地、実は被差別部落出身。多分今まで政治家だったときはほとんど知ら
れていなかったことだと思う。この本はその出自から始まっている。この本は野
中広務の良いところ悪いところ出自まで細かく調べて、時にはここまで証してい
いのか?広務の過去をほじくり返しながら彼が政治家として歩いてきた道を追い
かけている。

 特に広務の子ども時代は今と違って部落というだけで差別された時代。その過
去を克明追いかけている。なかなかの力作だと思う。部落出身でも同和行政べっ
たりではなく、反同和的行動もするし、似非同和とは本気で闘う野中の一面も読
んでいて感じるところがある。多分この本が出ることで野中広務本人よりは子孫
に取っては非常に迷惑な事だと思う。ほじくり返して欲しくないところをほじく
り返している。野中広務の光と影、強さと優しさが伝わってくる本だと思う。
魚住昭これから注目したいノンフィクション作家だと思う。佐野眞一よりはよほ
ど良いのでは。

昭和30年代、40年代の町長の時代。蜷川虎三とのやり取り、事件など地元の
ことなのでいろいろと参考になること。知っていたことなどが出てきて身近に感
じる事が出来た。