投稿者 スレッド: 超デジタル世界(DX,メタバースのゆくえ)  (参照数 37 回)

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超デジタル世界(DX,メタバースのゆくえ)
« 投稿日:: 10月 14, 2023, 09:15:49 pm »
超デジタル世界(DX,メタバースのゆくえ) - つみかさね
https://3yokohama.hatenablog.jp/entry/2023/10/14/210348

著者: 西垣通
出版: 岩波新書
発行: 2023年1月20日

西垣通さんは知っている人は知っている有名な情報に関しては専門家、インタ
ーネット元年と呼ばれた時代から日本の情報、インターネット発展にいろいろ
発信してきた人です。1995年頃はインターネットの普及で自由で、公開された
情報で未来はバラ色の夢をかたっていた人々もいた。そんな中にあって、しっ
かりとした論理的な語り口で語りかけてくれた人です。
第三次AI時代になって日本は全く世界から取り残されてしまったのか?何が悪
かったのか?説得力のある論理で説いてくれています。ChatGptに代表される
これからの生き方を示唆してくれる。デジタル本で読んでみた。デジタル本は
取っつきは良いのですが、残り25%位になると読み速度がダウンしてしまう。
何故なのか?ちょっと不思議です。1995年からインターネットの世界において
著作権問題を気にしすぎて、大胆なビジョンが出てこなかった。GAFAM(ガー
ファム)Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの5社はそれらをもの
ともせず、今の発展を遂げた。画像生成AIでも著作権問題が起こらない解決策
も提案している。Adobe、Microsoftなどは問題が起きたときは保証すると言っ
ている。
発展を制限する法律議論、忖度、考えすぎの問題の前にやるべき事があるので
は?マイナンバーカートよりもインターネットで投票という、手軽な政治参加
手段をやるべきでは?直接選挙制度が出来るのでは?

この本の出版社の広告は
「誹謗中傷やフェイクニュースがあふれ、詐欺やサイバー犯罪で脅かされる場
となりつつあるインターネット。DXやメタバースがこの傾向を助長することは
ないのか。AIは解決の切り札になるのか。日本がデジタル後進国となってしま
った原因は? インターネットを健全な集合知のうまれる場とする道筋を考え、
日本のとるべき道を探る。」とあります。

西垣 通は、日本の情報学者、小説家。東京大学名誉教授、工学博士。 コンピ
ューター・システムの研究開発を経て、情報化社会における生命、社会を考察
する。『アメリカの階梯』などの小説も執筆。著書に『集合知とは何か』、『
ビッグデータと人工知能』など。

(1) 情報と心 - 西垣 通 (東京大学大学院 情報学環教授)- YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YmGc2YlRRJM
(1) ChatGPTは考えてない?「AIの回答」の本質とは|西垣通 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vp3WJfy_01E

論理的によくまとまっており、説得力のある内容である。専門用語は比較的少
なく、一般読者にも理解しやすい内容である。
本書は、デジタル化が進む現代社会において、デジタル技術がもたらす可能性
と課題を、広い視野から考察した良書である。デジタル技術の未来を考える上
で、必読の一冊と言えるだろう。

著者は、デジタル技術がもたらす可能性として、以下のような点を挙げている。
情報の共有と協働の促進
新たな価値の創造
社会の効率化と新たなサービスの提供
一方で、デジタル技術がもたらす課題として、以下のような点を挙げている。
誹謗中傷やフェイクニュースの拡散
サイバー犯罪の増加
格差の拡大
これらの可能性と課題を踏まえて、著者は、デジタル技術を健全な集合知のう
まれる場として発展させるためには、以下のような取り組みが必要であると主
張している。

デジタル技術の倫理的な規範の確立
デジタル技術の民主化
デジタル技術の社会的受容性の向上
これらの主張は、論理的によくまとまっており、説得力のある内容である。

『超デジタル世界 DX,メタバースのゆくえ』は、西垣通氏による社会論・文
化論の書籍である。本書は、DXやメタバースについての技術的な解説書ではな
く、極めて哲学的な展開をしたものである。著者は、日本がDXにおいて米国と
は異なる価値観を持っていることを指摘し、DXにおける日本の課題を探求して
いる。また、メタバースについても言及しており、その可能性や問題点につい
て考察している。

目次
はじめに
第一章 DXとはオープンネット化
デジタル敗戦
行政デジタル化の挫折
DXの本質
オープンネットの弱点
デジタル庁の役割
第二章 メタバースの核心
超世界のなかのAI
AIユートピア
シンギュラリティと超人間主義
AIディストピア
メタバースと意味の不在
ソサエティ5.0
第三章 ネット集合知をうむオートポイエーシス
インターネットの分権思想
集合知を問い直す
ポストモダニズムとデータ科学の矛盾
新実在論の限界線
主観が客観をつくる
ネオ・サイバネティクスと閉鎖性
オートポイエーシスから基礎情報学へ
第四章 分断深めるデジタル大国アメリカ
トランプ現象とQアノン
集合知シミュレーションの教訓
デジタルな魔術的支配
多文化主義の陥穽
没落する中間層
ポスト・アメリカニズムへの渇望
第五章 日本はデジタル化できるのか
輸入される知
トップダウンDXの危うさ
オモテナシの裏側
内むきの完璧主義
日本人とロボット
安心サブネットと情報教育深化
主要引用参照文献
図表出典一覧