投稿者 スレッド: 「権力者と同じ思考」で働く政治記者たち~菅政権発足の新聞報道を見て  (参照数 193 回)

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「権力者と同じ思考」で働く政治記者たち~菅政権発足の新聞報道を見て - 高田昌幸|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
https://webronza.asahi.com/national/articles/2020091900001.html?page=3


議会に対しては徒に嘲笑を事として、他方満州事変以来、低調素朴な愛国心に訴へたのは、誰であるよりも新聞だ。これがフアツシヨの勢力を伸長させないわけはない。この時勢を自分でつくりながら、「御時勢だ、御時勢だ」と悲鳴をあげてゐるのだから世話はない。その御時勢製造の筆頭には、非常時以来朝日がある。

新聞社が他人の頭――特に役人の頭で動い(て)ゐる証拠には、その立場が常に役人本位である。役人を変へると「人事刷新」などと囃したてて喝采する。庶政一新などに騒ぐのも、役人の出世行詰りを、国民の福利と関係があるやうに解釈する結果だ。外務省に行くものは外務省、陸軍省に行くものは陸軍省、その型と思想が出来て来る。これも自分の頭を置き忘れた結果である。かうした新聞社の傾向から見て、役人の行き詰りから来た非常時心理を紙上に反映するのは自然である。殊に朝日あたりでは、幹部が事務的になり切つて、主義と思想を死守するといふやうな熱意があらう道理はない。斯くしてフアツシヨの風潮に一たまりもなく頭を下げるのである。