投稿者 スレッド: われに千里の思いあり  (参照数 278 回)

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われに千里の思いあり
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 11:50:10 pm »
書名:われに千里の思いあり(上)
   風雲児・前田利常
著者:中村 彰彦
発行所:文藝春秋社
発行年月日:2008/9/15
ページ:413頁
定価:1800円+税

書名:われに千里の思いあり(中)
   快男児・前田光高
著者:中村 彰彦
発行所:文藝春秋社
発行年月日:2008/11/25
ページ:418頁
定価:1800円+税

書名:われに千里の思いあり(下)
   名君・前田綱紀
著者:中村 彰彦
発行所:文藝春秋社
発行年月日:2009/2/25
ページ:421頁
定価:1800円+税

加賀百万石の前田家、初代前田利家・利長が有名ですが、その後の子孫については
あまり語られません。この本は3代目利常、4代目光高、5代目綱紀の事蹟、運命
を描いています。徳川時代家光の時代までは大名の取りつぶしが頻発した時代。特
に大藩は次々と潰される運命にあった。そんな時代を利常、光髙、綱紀が幕府との
関係を築いて加賀百万石を守っていったのか?創業の難しさもあるけれど守って継
続して行くことの難しさを語っている。

そして利常、光髙、綱紀の3代がいずれも「ぼんくら殿様」でなかったことが前田
家にとっては幸いした。地元北国新聞に2年に渡って連載された作品です。綱紀の
岳父は保科正之。作者はこの保科正之が気にいっているようでいろいろな作品を書
いている。保科正之の影響を受けて綱紀は藩内の治世を会津藩の諸制度、法令など
を応用して行っている。この5代目になって加賀百万石(実際は120万石)が安定し
たと考えられる。山有り谷有り、運命に翻弄されながらも、それに立ち向かってい
く各藩主たちの物語。長編歴史小説ですが、読みやすい本です。

本書
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利常公が柳河藩立花宗茂公から教えて貰った。

 「老驥(ろうき)は櫪(れき)に伏すも志は千里にあり 烈士暮年 壮心やまず

魏の武帝(曹操孟徳)「碣石篇」の一節
 駿馬は、老いて厩に伏したところで、その志は千里のかなたを駆け巡ろうとする
。そのように烈士といわれるほどの者は、老いたとて、壮心已みがたく大志を遂げ
ようとするものだ。