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銀の匙
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:45:38 pm »
書名:銀の匙
著者:中 勘助
発行所:岩波書店
発行年月日:1999/5/17
ページ:227頁
定価:460円+ 税

いまちょっとベストセラーになっている「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子
どもたち 伊藤 氏貴 (著)」に紹介されている。戦後、公立の滑り止めだった灘高
でこの文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読むという空前絶後の授業を始めた橋
本武という国語の先生、その教科書なき教え方で東大合格日本一に。
そんな話題につられて読んでみました。江戸時代の終わりから明治の虚弱の少年
の成長物語。中勘助は少年になりきって少年の目、考え、感想を綴っている。当
時夏目漱石が絶賛して、新聞に掲載されたとか。中勘助には残された作品は少な
い。その中でも俊逸の作品。和辻哲郎が後書きを書いている。読んでみた感想で
すが、特に良いとも思えない。淡々とした少年が成長していく過程が綴られてい
る。また教訓的、説教などもなにもない。叔母に溺愛されながら成長する少年の
目で見た世界を描いている。