投稿者 スレッド: IT革命から 子どもの脳を守る  (参照数 606 回)

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IT革命から 子どもの脳を守る
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 02:23:27 pm »
ちょっとショッキングな講演録を読んでみました。いろいろと考えさせられる内容
です。子ども達をお持ちのお父さん、お母さんに是非読んで頂きたいと思います。
30ページ程度の資料です。ただ中味はかなり濃いものがあると思います。
 IT革命の到来を当然のこと。良いことであるとした前提に大きく考えないといけ
ない本質的なことを提起しているように思います。

親がパソコンの使用をできない、親がパソコンを使えないのに何故子どもにパソ
コンを与えるのか?使わせるのかもう一度じっくり考える必要がある。親が試金
石となって新たなテクノロジーを経験して、咀嚼しながら子ども達に与えないとい
けない危険な要素もあるパソコン、インターネットであることをしっかり認識して
おかないと、永久に取り返しのつかない事態に陥るかも?

 早期にパソコンを覚えさせなくても、大人になってからでも十分。子どもは子ど
もの時に経験体験させることがある。それを優先するべき。
 人工のしもべ(パソコン、IT)を使いこなせるだけの基礎的な能力をつけてから
でも十分。ツールを使いこなせない状態で与えることの危険性を警鐘しています。

興味ある方は是非読んでみて下さい。

カニングハム・久子氏の講演録です。

でてこい公開講座「IT革命から 子どもの脳を守る」講演録
http://www6.ocn.ne.jp/~detekoi/kouen/record4.pdf

カニングハム・久子氏のプロフィール
【略 歴】
1934年 長崎県生まれ。 1958年 同志杜女子大学英文学科卒業。
1967年 渡米留学。 1969年 ニューヨーク市立ハンター大学にて修士号(特殊教育)取得。
1972年~ニューヨーク医科大学教官を経て、ニューヨーク州ウエストチェスター郡立医
   療センター人間科学研究所視聴覚臨床教育プログラム主任。
   自助組織『SPEACニューヨーク臨床教育父母の会』主宰。
【著 書】
「そして挑戦の日々」(日本放送出版協会1984年)、「人間の尊厳 アメリカで今」(“育
つ”No40 1985年)、「海外子女教育事情」(新潮社 1988年)、「変貌する家族」第六
巻『異文化のなかの家族』(岩波書店 1992年)、「我、自閉症に生まれて」テンプル・
グランディン著/翻訳(学研 1994年)、「ニューヨーク障害教育事情」在米コミュニケ
ーション・セラピスト30年の挑戦から(学研 1995年)、「対話できない教師・叱れない
親-アメリカの失敗に学べ」(学研 2001年)
【受賞歴】
1974年 全米精神遅滞研究会第10地域・最優秀臨床教育賞受賞。
1990年 日本顕彰会より国際的貢献の分野で受賞。
1992年 United to Serve America よりアメリカ社会への貢献を認められてダイアモン
   ド賞受賞。
   仕事を通して日米教育交流の促進に尽力したことを認められて外務大臣賞受賞。

(一部抜粋)
コンピューターは児童の成績向上にほとんど役にたっていないと発表しています。年少
時あるいは中学校生、高校生にとって、パソコン使用は実質的な有効性が認められてい
ないんですが、その理由の一つに、親がパソコンの使用をできない、親がパソコンを使
えないから、ガイドラインを設けることができないので、子どもの手引きができなくて、
子どもは一人でパソコンに向かっている。
 すると何が起きるか。チャットルームに入って行くでしょう。チャットルームで見知
らぬ犯罪者達とコミュニケーションして、呼び出されて、殺人事件、レイプ、売り飛ば
されたと言う事件が年に何十件も起きています。 さらに親が知らないから、インター
ネットでポルノのサイトに入っていく。そしてそのまんま、中毒症状をおこし、パソコ
ンから離れられなくなってしまっている。これが一つの大きな問題だ、ということが認
識されたんです。

パソコンが脳に与える影響、それから読書力、思考力、独創性、自主性、分析力などを
損なうことなく、パソコンの優位面を最大限にひきだすには、

1番目が、話されたものや書かれたものから、事実や考えをまとまりをもって、順序立
てながら捉える能力が低下している。つまり文意を組んでいくという力が弱まっていた
ということなんですね。

2番目が言葉の代わりに身振りを使って伝える傾向がある。なぜか。話言葉が年齢並み
に育っていなかったからなんですね。

3番目が 小学校4年以上の語彙、知識の低下。これは由々しき事態なんです。アメリ
カでは、小学校3年生から英語を道具として、アカデミックな知識を身に付けていくよ
うにカリキュラムが組まれているので、3年生からいきなり使われている英語のレベル
が高くなります。

4番目が重要な語の代わりに、埋め合わせの言葉を使ったり、文章を冗長につくる傾向
。「あのー」とか 「えー」とか「ものみたいにー」「あったみたいなものー」という
ような無意味な接続詞を使う傾向がある。

5番目が語韻の聞き分けと語韻の配列の困難さ。まるで構音障害(注:言葉の発音に障
害がある状態。機能的と器質的に大別。前者には聴覚障害、構音技術の未熟または拙劣
なものがあり、後者には口・舌・軟口蓋・咽頭・喉頭などの形や位置の異常、筋肉やそ
れを支配する神経の障害によるものがある。

6番目、少し難しい読みの教材を理解することにつまづきが表れ始めた。これは、知的
操作が支えになる課題です。難しい文章を読んで理解できるかどうかというのは、これ
は知的操作です。ですから知的能力も落ちていたということなのです。

7番目、中・高校生を対象にしたもので、 出てきた恐るべき結果は、長い文章や埋め
込みの節や複雑な文法構造の理解が弱くなっていた。

8番目が、話言葉から書き言葉への切り替えが難しくなっていた。


(参考)
でてこい公開講座part3 生きる力 パワー・オブ・ラブ ひとそれぞれの旅
カニングハム・久子
http://www6.ocn.ne.jp/~detekoi/kouen/record3.pdf