投稿を表示

This section allows you to view all posts made by this member. Note that you can only see posts made in areas you currently have access to.


Messages - admin

ページ: 1 ... 2320 2321 [2322] 2323 2324 ... 2455
34816
本に出会う / バイアウト 企業買収
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:44:38 pm »
書名:バイアウト 企業買収
著者:幸田 真音
発行所:文藝春秋
発行年月日:2007/6/25
ページ:414頁
定価:1619 円+ 税

どこか今までマスコミを騒がせていたモデルが登場するようなストーリー展開。
ファンド業界の風雲児、相馬顕良が仕掛ける、壮絶な企業買収オペレーション。
この相馬顕良に接近を試みる外資系証券会社で働く広田美潮はやっとこのディー
ルに加担することになった。ある音楽会社の買収に動く投資ファンドとともに広
田美潮は動く。その音楽会社は自分を捨てた父が働く会社だった…… 。

そんな企業買収の中で広田美潮はいったい何を得て何を失うのか?
欲に目覚めた人間が、満足という言葉を忘れてさらに上を望み、達成感を味わう
たびに飢えていくものだ。ということを自分ではまだ気づいていない。自分を捨
てた父と思っていた三枝は本当の父ではなかった。広田美潮の最後の決断。最後
にほっとした人間、家族を感じられる小説です。企業小説です。

34817
本に出会う / 百年人生 私の工夫
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:44:13 pm »
書名:百年人生 私の工夫
著者:日野原 重明
発行所:幻冬舎
発行年月日:202/7/5
ページ:231頁
定価:1200 円+ 税

私たちは生まれようとして生まれたのではありません。気がついたら生まれてい
たのです。つまり与えられた人生なのです。その与えられた人生をどう使えば意
味があるかを、是非皆さんに考えていただきたいと思います。

 そんな意図で本書は書かれている。人生は何かと問われて、「偶然が支配する
あみだくじ」と禅の高僧がいるがまさに、至言ですね。「自然の四季は毎年繰り
返されますが、人生の四季はそれぞれ一回しかない」人生50年から人生80年へ変
わった現代をどう生きるか?過ごすかのノウハウ本です。もうすぐ100歳の日野原
さんの至言の言葉いっぱい。人生色々あって良いですね。


34818
本に出会う / 口語訳 古事記 完全版
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:43:48 pm »
書名:口語訳 古事記 完全版
著者:三浦 佑之
発行所:文藝春秋
発行年月日:2002/6/30
ページ:494頁
定価:3333 円+ 税

古事記は語り言葉で綴られた物語、日本誕生の物語。この本は平易な口語訳で鮮
やかに語る。有る古老の語りで綴られている。字と筆が出てきた時代。語りの者
が語り伝える時代ではないと悟りながら、この古老はやっぱり少しでも若い人に
伝えたい思いで語っている。

 また懇切にして画期的な最近の研究成果を盛り込んだ注釈が付いている。神代
の時代から、第33代推古天皇までの物語をわかりやすく語り調で、やっぱり古事
記は読むよりは聞くものなのかも知れない。内容は大抵知っている内容なので親
しみを持って読むことが出来る。地名・氏族名解説、神々および天皇の系図、地
図などの資料も豊富に載せてある。

34819
本に出会う / ジェミニの方舟 東京大洪水
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:43:23 pm »
書名:ジェミニの方舟
   東京大洪水
著者:高島 哲夫
発行所:集英社
発行年月日:2008/7/30
ページ:396頁
定価:1900 円+ 税

 日本防災研究センターに出向中の玉城孝彦は、「荒川防災研究」をまとめ、次
の学会発表するする事になっていた。「荒川防災研究」は、荒川周辺は0メート
ル地帯が多く、仮に大型台風などで堤防が決壊した場合、東京の1/3が水没す
る大きな被害を蒙ると警鐘していた。

 玉城の妻はこの荒川のスーパー堤防のそばに建設中の高層マンション「リバー
サイド・ビュー」の設計責任者だ。そんなおり大型台風23号が発生し、玉城と同
僚の木下が開発した台風シミュレーションによると、日本に上陸する可能性を示
していた。

玉城は気象庁に連絡するのだが、最初は誰も取り合ってくれない。結果的に台風2
3号は日本には上陸せず太平洋に去っていくのであるが、途中で新たに発生した台
風24号と合体して巨大な台風「ジェミニ」となって再上陸の軌道へ。無断で横浜
の「地球シュミレーター」を借用してシュミレーションした結果は、東京へ上陸
すると。

台風「ジェミニ」は勢力を拡大しながら東京接近してきた。荒川の決壊は時間の
問題に、建設中の高層マンション「リバーサイド・ビュー」には地域住民の避難
所に。荒川決壊、隅田川決壊、地下鉄の水没の危機それに立ち向かう玉城、妻の
活躍。また玉城の家族を描く。

34820
本に出会う / 法華入門
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:42:53 pm »
書名:法華入門
著者:勝呂 信静
発行所:春秋社
発行年月日:1993/3/30
ページ:221頁
定価:1845 円+ 税

<五時>              <五味>                
華厳時   華厳経     疑宜 乳味
鹿苑時   阿含経     誘引 酪味
方等時   方等経     啖呵 生酥味
般若時   般若経     淘汰 熟酥味
法華涅槃時 法華経・涅槃経 開会 醍醐味
お釈迦様が悟りを開いてから入滅されるまでの一代50年間に説かれた諸々の経
を年代別に配列したもの

華厳経は悟りを開いたばかりの時のお経で、かなり修行した人でないとなかなか
わからないが、根本的な教えは全て備えている。法華経は涅槃に入る前なので、
誰でもわかるようにやさしく、その人の修行の程度によってそれぞれわかりやす
いを比喩を交えて説いている。それぞれの教えに矛盾が感じられるが、それはそ
の人その人に合わせた方便である。

永井路子が「法華経を開いてまず驚嘆したのは、溢れんばかりの詞藻の豊富さだ
った」そして一番大事なことは、根本的なことは「人間すべて仏になれる」とい
うことをもって回って延々と語っている。そんなお経だと言っている。
でも「具体的にどうすれば仏になれるか」ということは一切語っていない。そこ
で鎌倉仏教の教祖達はそれぞれ具体的にどうすれば仏になれるか、を模索してい
った。

涅槃の時に説いた教えが書いてあると言うことで仏教では一番重要な教典をいう
ことになっている。でも華厳経だけでわかる修行者にはものたりないのかもしれ
ない。


34821
本に出会う / 日本史集中講座 「鎌倉新仏教」編
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:42:26 pm »
書名:日本史集中講座
   「鎌倉新仏教」編
著者:井沢 元彦
発行所:徳間書店
発行年月日:2010/1/31
ページ:281頁
定価:1500 円+ 税

鎌倉新仏教が、世界の仏教・本来の仏教と著しく違うのは、それまで救済の対象
に入っていなかった猟師や漁師そして武士など殺生をする人々だけでなく、女性
まで含む大衆を取り込んだことです。・・・そこに日本人ならではの発想がある


小乗仏教は自利の仏教、出家して妻も家族ももたず自己を研鑽して悟りを開く。
釈迦が入滅後4,500年経って大乗仏教的な考え方が広まってきた。利他の教え。日
本の仏教は聖徳太子の時代からこの大乗仏教が入ってきた。当初は天皇をはじめ
とする貴族などエリートのための仏教。庶民、女は蚊帳の外。最澄の天台宗は法
華経の教えを母体に広まった。宇治の平等院を肇とする極楽浄土への信仰、当時
は阿弥陀仏を観想(イメージ)する念仏が広まった。阿弥陀仏をイメージするた
めに浄土庭園、浄土を著した図など、観想念仏することで浄土に導かれるという
思想だった。この観想念仏できる人は貴族のような財力が沢山持った人に限られ
た。鎌倉時代の法然、親鸞、日蓮等は延暦寺で仏教を学ぶ。

その後、法然は阿弥陀仏は48の誓願を立てている。その一番に阿弥陀仏を念じれ
ば極楽浄土につれていって貰えるということがある。そこで「南無阿弥陀仏」を
唱えるだけで誰でも極楽浄土に行けると説いた。すべて仏に任せておきなさい。
したがって「南無阿弥陀仏」を1回唱えることと10回唱えることどちらも変わらな
いと説いた。

それで大勢の信者が出来た。その思想をもっと進めたのが親鸞で、念仏さえ唱え
ればどんな人間でも成仏できるのであれば、出家、在家、武士であっても成仏で
きるということで世界で初めて僧侶の妻帯を認めた。(破戒僧)浄土真宗は親鸞
の子孫が門主を務めている世界でも珍しい宗派です。「南無阿弥陀仏」というの
は「阿弥陀様、あなたに帰依します」という意味。

日蓮は「南無妙法華経」をとなえれば誰でも成仏できると言い出した。「法華経
」というのは教典のなかで一番重要な教典と言われているお経。法然、親鸞は阿
弥陀仏に帰依と、しかし日蓮はお経のタイトルに帰依する。(これは少し考える
とおかしなものですね)でも「なんみょうほうれんけんきょう」と唱えればとい
った。また日蓮自身、菩薩だといいだし、他の宗派をことごとく非難しだした。

延暦寺の僧18万人が京都の21の日蓮宗のお寺を焼き討ちにした事件がおこったり
した。織田信長が比叡山を焼き討ちにしたと非難する人は多いけれど、延暦寺に
もそれなりの理由がある。道元は「弁道」という考え方を広めました。「弁道」
というのは簡単にいうと「自分の事は自分でする」もともとは禅の教え。本場の
中国でも忘れられている教え。日本にだけ残っている。日本人は法律でも武力で
もなく、納得、和、道理に寄って動く。

歴史は部分部分の出来事を詳細に覚えるものではなく流れとして見るもの。今行
っている歴史教育で歴史が好きになるわけがない。歴史には必ず思想、宗教があ
る。ということを前提にみないとわからない。日本人は法律でも武力でもなく、
納得、和、道理に寄って動く。という視点をもつとよく見えてくる。

日本の仏教のことが非常によく分かる本です。この本でアウトラインを知ってか
ら、それぞれの教えをもう少し詳しく研究するのもいいのかなと思います。指南
書的な本です。

34822
本に出会う / 原 阿佐緒
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:41:51 pm »
書名:原 阿佐緒
著者:大原 富枝
発行所:講談社
発行年月日:1996/4/2
ページ:186頁
定価:1650 円+ 税

明治に生れ、大正、昭和を生きた女性のなかには、男社会であった当時の社会の
眼によって、真実の人柄とはちがった女性のように評価され、それが定着してし
まっている気の毒な人物がいると思います。原阿佐緒はその中の最たる1人です。
いつか、誰かが、ほんとうの彼女を、今日の公正な眼で見直して、ありのままに
描くことによって、真実の姿を正しく評価しておくことが必要だと考えます。─
─「あとがき」より

と作者の「あとがき」にあるが、「新しき女」「新しき村」などの大正ロマン時
代なんでも「新しき」とつけてさも流行の先端を行っていた時代。与謝野晶子、
岡本かの子などと同じように人間としては全く失格、でも作品だけは凄いという
例の典型ではないか?人を見ないで作品だけが光るそんな感じの波乱に富んだ人
生を送った女性でした。歌人たちとの悲恋、自殺未遂、結婚、離婚…。それゆえ
に時には非難を浴びた阿佐緒。やっぱり現代でもかなり非難を浴びるでしょう!
南に仙台市を接する大和町宮床で生まれた女流歌人。大和町はなんども出張で行
ったことがあったので情景を浮かべながらよみました。

原阿佐緒記念館
http://www.haraasao.jp/


34823
本に出会う / 法隆寺の謎
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:41:21 pm »
書名:法隆寺の謎
著者:高田 良信
発行所:小学館
発行年月日:1998/10/22
ページ:271頁
定価:2000 円+ 税

 法隆寺は聖徳太子が建立された寺院として、1400年に及ぶ輝かしい伝統を
今に誇り、とくに1993年12月には、ユネスコの世界文化遺産のリストに日
本で初めて登録されるなど、世界的な仏教文化の宝庫として人々の注目を集めて
います。当時法隆寺208世管主・聖徳宗第5代管長だった高田良信さんが、法隆寺
の伽藍配置、建物、仏像、書画など法隆寺について詳しく書いています。

法隆寺が注目されるようになったのは実はここ100年位で、この伝統あるお寺を存
続させてきた先人達の苦労がいっぱい。奇跡的に残ったとしか思えないところも
あります。これも太子のご威光か。興福寺の支配下にあった時代もあったり、大
坂冬の陣では豊臣方から奈良半国をと見方に誘ってきたとか。それでも徳川側に
ついた。

生々しい歴史が垣間見られる。これからもいろいろな宝物が出てきそうな歴史の
好きな人にとっては見逃せない法隆寺です。高田良信さんは現在法隆寺長老、法
隆寺實相院住職。だととのこと。薬師寺の高田好胤さんとともに懐かしい人だと
気がします。この夏、法隆寺に行ってきたばかりなので、現実感をもって興味深
く読めた。

法隆寺・法輪寺・法起寺の旅 on PhotoPeach
http://photopeach.com/album/o6e7tq


34824
本に出会う / 傷 邦銀崩壊
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:40:51 pm »
書名:傷 邦銀崩壊(上)
著者:幸田 真音
発行所:新潮社
発行年月日:2005/4/1
ページ:379頁
定価:514 円+ 税

書名:傷 邦銀崩壊(下)
著者:幸田 真音
発行所:新潮社
発行年月日:2005/4/1
ページ:364頁
定価:514 円+ 税

将来を嘱望されていた大手邦銀NY支店のディーラーが、滞在先のホテルから飛び
降りた。彼は死の前日、偶然20年振りに級友の芹沢と再会を果たした。自殺のそ
ぶりも見せなかった。謎のファクスを残して彼は死んでしまう。あまりに突然の
彼の死に衝撃と責任を感じた芹沢は、死の真相を探ろうとする。

ウォール街で辣腕家として知られる有吉州波が芹沢の前に現れる。相次ぐ不祥事
に傍観するだけの政府、ひたすら保身を図る大蔵官僚。全てをひた隠しにして自
分らだけの生き残り策を弄する邦銀重役たち。恋人の復讐を誓い、真相を公にし
ようと、州波は芹沢と協力いて真相を追い詰めていく。綿密な構成とスピーディ
な展開、著者がその専門知識を駆使して、日本の金融界の闇を告発する金融スト
ーリー。この作品の解説は池上彰が書いている。



34825
本に出会う / 俳句の基本と応用
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:40:21 pm »
書名:俳句の基本と応用
著者:大輪 靖宏
発行所:角川学芸出版
発行年月日:2007/1/24
ページ:263頁
定価:1500 円+ 税

俳句とはなにか?国文学者、俳人の著者がその発生や言葉の役割、日本人の心な
どの視点から詳細に検証している。俳句には何故季語があるの?昔から問われな
がらきっちりとした答えの出ていない問題。でも五七五、季語があるのが俳句と
考える。それ以上の疑問は抱かない。日本語には本意がある。

これを知らないと俳句は判らない。五七五という短い文字で共通の意識を持って
貰うためには本意と外れた使い方は判って貰えない。俳句は作るだけでなく選を
することも創作と高浜虚子は言っている。自分の作れる範囲は狭いけれど色々な
人の句はいろいろな視点があって新鮮だ。それを選することは非常に勉強になる
と言っている。俳句に王道はないけれどやっぱり本物をどれだけ詠んでいるか?
にかかる。本物に触れる大切さを説いている。
五七五で狭められた中にいかに大きく、広くすることが出来るかが俳句だと。五
七五の中に大世界を思い浮かべる。写実だけれど詩的な言葉、優雅な言葉、下品
にはなるな。俳句についてよく分かる本です。

34826
本に出会う / 一億人の季語入門
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:39:59 pm »
書名:一億人の季語入門
著者:長谷川 櫂
発行所:角川学芸出版
発行年月日:2008/5/30
ページ:253頁
定価:1429 円+ 税

日本人が長年育んできた季節の言葉、季語。四季折々の季語が持つ本来の意味。
「切れ」をはじめとする季語の生かす使い方を懇切丁寧に解説してくれる。約300
首の名句を例に、名句鑑賞の道案内をしてくれる。日本語の多様さ、面白さ。太
陰暦、太陽暦の違いなども言葉とともに理解出来る。例に挙げてある名句の中に
松尾芭蕉の句が多い。それもどれもこれもやっぱり名句。うーんとうなりながら
読んだ。

34827
書名:逆説の日本史 近世爛熟編14
   文治政治と忠臣蔵の謎
著者:井沢元彦
発行所:小学館
発行年月日:2007/8/26
ページ:443頁
定価:1600 円+ 税

井沢元彦の逆説の日本史14冊目です。日本の歴史学会とは全く違った視点で異端
論を書いているので、興味をもって面白く読んでいます。今回は江戸元禄時代。
有名な忠臣蔵の謎を解いています。普通に考えると吉良は被害者、浅野は加害者
どう考えても仇討ちという位置づけに置かれる筈のない。バカ殿浅野、大石内蔵
助もバカ殿のことを十分知っていたはず。

でも浅野が恨みを持って死んだ(本当は吉良を討ち果たしおくことができなかっ
た)のであるから、主君の思いを遂げることが部下の忠義というロジックで、仇
討ちということにして、集団暴行を企てた。それに乗った人々がいた。実態はそ
っちのけで忠義の物語になってしまった。こんなつまらない話でもこうなってし
まうという例です。現代でもマスゴミに作られて勘違いで真実と思われているこ
とはいっぱいありますね。フィクションが事実と間違えられた忠臣蔵(ばか殿物
語)ですね。

またこの本の中で生類憐れみの令を行った綱吉は暗君の呼び名が高いが、どうし
てどうして、綱吉は名君。江戸時代を通じて一番の名君だと言っている。それは
なぜ?綱吉は戦国時代から武士は人を殺して当たり前という世の中を、人の命は
簡単に殺してはいけない。という大きな方針転換をおこなった将軍。また側用人
(柳沢、間部、田沼)という将軍と老中の間に置いたこと。自分のやりたいこと
を命令するときに直接行うと、束で反対されたら負けてしまう。側用人に、将軍
はこう考えているから、そんな意見は通りませんよと、道筋を将軍の思い通りに
出来るということを考えた(いや発見)ということでも名君だと言っている。そ
の側用人は実力主義で選んでいる。いつも新しい発見のある逆説の日本史です。




34828
本に出会う / 梅原猛の授業 道徳
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:39:01 pm »
書名:梅原猛の授業 道徳
著者:梅原猛
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2003/1/30
ページ:262頁
定価:1300 円+ 税

哲学者でもあり、「隠された十字架」などの著書もあり幅広く活躍されている梅
原猛が京都の洛南高等学校付属中学校の3年生に12回に渡って行った「道徳」につ
いての講座をまとめたものです。団塊の世代より後の世代は道徳というものにつ
いて全く教育を受けていない世代。戦前は良い悪いは別として教育勅語があった
。洛南高校は仏教系の学校で以前は公立に行けなかった人の行く高校だったので
すが、今では有名進学校です。そこの中学生(エリートですね)に向けた講座で
す。

でも戦後はそれらを全て否定してしまって全く道徳というと拒否し続けてきた。
そのツケが、エリートである役人のとんでもない逸脱、大手メーカーの不祥事、
親の子殺し、この親殺し、日本の道徳はどうなっているのと、梅原猛が道徳を語
る。この本の中で現代に必要な道徳とは、梅原自身試行錯誤(本当はよく考えて
いるが)しながら考えたことを披露してくれている。
 道徳は人間だけのものではない。動物にもある。ジャッカルにしても雄は雌と
子の為に狩りをする。獲物は分ける。雄が狩りする間子供は雌がしっかりと見て
いる。それは無私の愛。人間でも母は子供のために見返りなど考えずに無私を愛
を注ぐ。ここに道徳の原点がある。霊長類である猿は同類を殺す。それ以外の動
物は同類は殺さない。

霊長類である人間はこのことを肝に銘じておかないといけない。三つの戒律「人
を殺してはいけない」「嘘をついてはいけない」「盗みをしてはいけない」と三
つの自戒「傲慢になってはいけない」「自棄になってはいけない」「いじめては
いけない」を判りやすく説明している。そしてその根底にあるのは宗教心、自分
が今あるのは父母がいて、その父母がいて、その父母がいてと段々46億年の地球
の誕生まで続く永遠の時、逆に自分の子供、その子供と永遠に続く子孫へ、子供
のない人でも次世代へ伝え繋げていくために自分が存在するということ。その永
遠の時間を考えると人の生きる道が見えてくるのではないか?道徳は人間だけの
ものではない。生きとし生けるものみんなにあるもの。

それぞれの生き物が必至になって生きている姿それぞれ美しい。そんなところか
ら道徳を考えている。中学生向けの講座ですが、大人でも十分判りやすい。是非
読んで欲しい本です。今まで「道徳」についてこんなに考えた本は無かったと思
う。忠、孝、仁等、儒教の教えが道徳ではない。中国で生まれた儒教は朝鮮でよ
り強固な儒教になって男尊女卑、差別、頑固な原理主義になってしまっている。
日本に渡ってきて朱子学は本来祖父母の孝が一番だったのが、忠が一番になって
国のため、天皇のため命を捨てても良いとう曲解されてしまった。

では現代は儒教の先祖返りで良いのかというとそうではない。今までの学問の英
知を取り入れて道徳を創造していかないといけない。しかし「道徳」ということ
ばに拒絶反応を起こして、まともな道徳論は出てきていない。梅原猛はそれにチ
ャレンジしている。まだまだ若々しい。楽しい、元気の出る本です。

34829
書名:デジタル教育は日本を滅ぼす
   便利なことが人間を豊かにすることではない!
著者:田原総一朗
発行所:ポプラ社
発行年月日:2010/8/26
ページ:203頁
定価:1400 円+ 税

島秀雄という国鉄の技師長で新幹線の開発に取りかかるとき「新幹線は実証され
ている技術だけで作る。新しい技術には一妻挑戦しない」そんな話をしった荒瀬
克己、京都市立堀川高校の校長。2005年国公立大に180人もの合格者をだした。い
まこの高校に全国から熱い注目を浴びている。

新幹線が実証されている技術と安全性で作られ大事故はまったくない。教育も同
じで、人は何千年も教育を続けてきました。世界の歴史の中であまたの教育方法
が実証されていて、その中に全ての問題、全ての失敗、逆に全ての方向性、全て
の答えが示されている。お手本は一杯ある。改革といって今までを全て否定しな
いで、日々の取り組み、現状の延長線上でおこなう。教育とはいいところを重ね
ることだから、現状の良さも見ながら手直しを加えていくべきと言っている。

デジタル教科書は正解のある課題に対しては、自己完結の形で答えを出すことが
出来る。学校も教師も必要ない。極めて利便性があり、効率的である。しかしだ
からこそ大問題なのである。

今までの日本の学校教育の重大な欠陥が、正解のある問題の解き方ばかりを教え
、正解以外の答えに対して全く価値を認めないために、コミュニケーション能力
が育まれず、想像力や創造力が封じ込められている。デジタル教科書はこの欠陥
を増大させてします。ということで緊急提言としてこの本を出版したと言ってい
る。

戦後の教育の方針、教育基本法のエッセンス、歴代の政府の施策などを紹介しな
がら日本の教育の実情を述べている。知らなかったことも多いし、教育現場を全
く理解していない。役人、政府が机上で決めた法律でとんちんかんな教育(ゆと
り教育、最近ではゆとり教育は失敗だったなど)を行ってきた。デジタル化の波
が押し寄せてきている今、しっかりと教育の本質について議論をしないといけな
いと田原氏は言う。

教育とは???「コンプライアンス」とは「法令遵守」「遵法精神」のことです
が、この言葉だけで実は危険なことはしない。余計な波風を立てずに無難にいこ
う、チャレンジせずに、やっかいごとは避けようとうことになっている。上から
押しつけられたら何も考えずに、デジタル教科書もそのまま導入してしまうので
はと危惧している。

教育は効率、コストではない。時間を掛かるもの、貧乏な時代の教育については
それなりに成功してきた日本の教育。豊かな少子化時代の教育について十分に議
論する必要があると言っている。

34830
本に出会う / 世界宗教講座
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 05:37:58 pm »
書名:世界宗教講座
著者:井沢元彦
発行所:徳間書店
発行年月日:1994/1/20
ページ:273頁
定価:1359 円+ 税

仏教、キリスト教、儒教、イスラム教、神道それぞれ「生き方」の原理がなぜ異
なるのか、五大宗教のエッセンスを比較することで、宗教の違い。日本人の精神
構造をあぶり出す異色の文化論。「禊ぎ」と「穢れ」「言霊」と「和」などをキ
ーワードに国際社会に揺らぐ日本人の「特異性」と「非常識」を鮮やかに!

聖徳太子の「和をもって尊し」の「和」というのは日本独特の思想。儒教・仏教
にもない考え方である。また江戸時代儒教が広く普及したが、禅の教えが色濃く
入っている。儒教は差別が基本。科挙の試験を合格した者と一般の人とは違って
当然。一人一票はおかしい。と。キリスト教は世界は造物主によって作られた。
神から見れば人は皆至らないもの。したがって一人一票で当たり前。共産党のマ
ルクス主義は無神論。神などいないところからスタートしている。

日本人は「穢れ」を払うために「水に流す」ということが理解出来るが、韓国人
をはじめ世界では全く理解して貰えない。道元の曹洞宗は、極めて厳格で、格調
の高いものであり、一般に広まる性格のものではなかった。その門下の第四祖、
瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)が禅を大衆化し、現在総持寺と永平寺の2つの
本山がある。実は殆ど滅び掛かっていた曹洞宗が瑩山によって今まで残っている
。浄土真宗についても親鸞の教えは滅び掛かっていたのを蓮如が一般大衆に広め
た。政治力があったということ。仏教が衰退してしまったのは江戸時代の檀家制
度。これで段々仏教は堕落してしまった。切磋琢磨しなくても固定の檀家があっ
て逃げられることがなくなった。

宗教の見方についてなかなか面白い。


ページ: 1 ... 2320 2321 [2322] 2323 2324 ... 2455