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Messages - admin

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本に出会う / マイウェイ 原山渓に学ぶ公共貢献物語
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:49:09 pm »
書名:マイウェイ
   原山渓に学ぶ公共貢献物語
著者:原三渓市民研究会
発行所:財団法人はまぎん産業文化振興財団
発行年月日:2011/1
ページ:98頁
定価:非売品(無料配布)

横浜と原三渓は切っても切れない縁で結ばれています。生糸商で財をなした原善
三郎の娘の養子として入籍した青木富太郎。原三溪の業績は一杯あるけれど、生
糸の直輸出(それまでは外国の商社経由)の道を開いたこと。生糸価格が暴落し
たときに、その安定を図るために生糸関連者合同の株式会社を組織してその暴落
防止に努めた。関東大震災における経済の壊滅的な下落にたいして経済振興をお
こなった。

「私」は後「公」が先の精神。特にお金の寄付等ではなく、経済、復興の仕組み
作りに奔走した。人脈も豊富、また協力者も沢山いた。三溪の人徳のなすところ
か。また新進の芸術家を三渓園に寄宿させて自由に画才を開花させた。また骨董
趣味だけではなく価値のある芸術品の発掘、保存に力を尽くした。今の三渓園に
はその芸術品が残されている。
原三溪の業績の中から公共貢献に絞って概要を紹介している小冊子です。なかな
か良くまとまっている。横浜市の区役所で手に入れることが出来る。

34712
本に出会う / 天地人
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:48:36 pm »
書名:天地人(上)
著者:火坂 雅志
発行所:NHK出版
発行年月日:2008/12/10
ページ:292頁
定価:850円+ 税

書名:天地人(中)
著者:火坂 雅志
発行所:NHK出版
発行年月日:2008/11/15
ページ:333頁
定価:850円+ 税

書名:天地人(下)
著者:火坂 雅志
発行所:NHK出版
発行年月日:2008/11/15
ページ:282頁
定価:850円+ 税

「北越軍談付録 謙信公語類」に『輝虎(謙信)公の曰く。天の時、地の利に叶
い、人の和ともに整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわん
や、末代なお有るべしとも覚えず。もっとも、この三事整うにおいては、弓矢も
起るべからず、敵対する者もなし』とある。ここから題名の「天地人」となった
ようです。

主人公の直江兼続、少年の頃から才知並ぶ者なく、将来を見込んだ政景夫人の仙
桃院によって、六歳の時に景勝の小姓となる。この時、景勝は十一歳。上杉景勝
の幕臣としてともに謙信亡き後、上杉家を残すことに一身を捧げた武将。その行
動の基本とするところは「義」「愛」。豊臣秀吉が亡くなった後の徳川家康の行
いには「義」はないと、天下分け目の関ヶ原の戦いを企画する。

敗れたのちの行動にも常に「義」で120万石から米沢30万石と大幅に削減されても
家臣をまとめて乗り切る。明治20年代東京の人口が70万人の頃、新潟県は170万人
、いかに新潟県は産業が盛んで多くの人々を養っていたか。これも謙信以降の産
業殖産、日本海航路、北国船、港。そして金山(甲斐の国武田氏より)を保有し
ていた。そこに謙信の経済的基盤があった。それらを一気に失っても米沢の地に
産業を興し、財政改善を行った直江兼続の力は大きい。後年(200年後)上杉鷹山
が出て財政復旧をおこなったが、実は直江兼続の行った事を忠実に守った。こと
によるともいわれている。越後の地はこんな人物を育てる土壌があったのかとい
う気がします。
作者の火坂雅志は新潟出身の人。随分前から郷土の人物を書きたいということで
、10年以上温めていたとか、作者の熱情が直江兼続に引かれているところが、ま
た面白い。第三者的でないところにこの物語を熱くしているように思う。


34713
書名:わが屍は野に捨てよ
   一遍遊行(いっぺんゆうぎょう)
著者:佐江 衆一
発行所:新潮社
発行年月日:2002/8/25
ページ:224頁
定価:1500円+ 税

藤沢に遊行寺(時宗)がある。放浪の人一遍上人であったので、一処に留まるこ
とをよしとしなかった。寺も住居も持たず遊行に日々をおくる。「南無阿弥陀仏
」「なみあみだぶつ」を唱えながら念仏札を配った。法然、親鸞から少し遅れて
出現した聖人。同時代に日蓮がいる。一遍上人の歩みを思想変遷ととも描いてい
る。なかなかの力作だと思う。末法の時代に出現した聖人たちが同じように考え
行動していくところがまた不思議である。

政治の乱れ、飢饉、災害、元寇と世の乱れに庶民は一遍上人の「踊り念仏」に熱
中していく、そした念仏往生。法然から流れている他力本願をより進めて、念仏
(なみあみだぶつ)を唱える続けると、人が念仏を唱えているのではなく、念仏
が念仏を唱えている。人はどこかに行ってしまう。他力の神髄をそこに求めた遊
行の人。一遍の壮絶な人生を描いている。

---------------------------
没後の事は、我が門弟におきては葬礼の儀式をととのふべからず。野に捨ててけ
だものにほどこすべし(一遍聖絵より) 教信沙弥の生活の汗にまみれながらの
純粋な信仰と、その死を越えた境地の入寂は、「捨ててこそ」の一遍上人にとっ
ても理想のものであっただろう。

念仏の機に三品あり、上根は、妻子を帯し家にありながら、著せずして往生す。
中根は、妻子をすつるといへども、住処と衣食とを帯して、著せずして往生す。
下根は、万事を捨離して往生す。我等は下根のものなれば、いっさいを捨ずは定
て臨終に諸事に著して往生を損ずべきものなり。よくよく心に思量すべし。
(本書より)
現代語訳:念仏をする衆生には三段階がある。上の段階のものは、妻子を持ち家
に住みながら執着することなく往生を遂げる。中等の者は、妻子を捨てる(出家
)が、衣食住を離れず執着もしないで往生する。下等の者は、一切を捨てて往生
する。私などは下等の根機であるから、一切を捨てないと、きっと臨終の時にな
って、万事に執着して、往生をしそこなうはずである。よくよく心におもいめぐ
らせねばならない。
(一遍上人全集 播州法語集 春秋社より)

一遍上人は、自分を下根の者という。それは、再出家の根底、遊行の根底に流れ
る一つの澪(みお)だろう。寺も住居も食の当ても持たず、遊行に日々をおくる
聖は、いつの頃から執着を離れ、澄んだ機根となったのだろうか?
叩きのめすべきは私の下根。いつまで続けるのか貪瞋痴

34714
本に出会う / 夜明けの雷鳴 医師 高松凌雲
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:47:13 pm »
書名:夜明けの雷鳴
   医師 高松凌雲
著者:吉村 昭
発行所:文藝春秋社
発行年月日:2000/01/10
ページ:291頁
定価:1524円+ 税

慶応2年当時フランスは軍事援助などを通じて幕府と結びついていたが、翌年開か
れるパリ万国博覧会に日本も参加するように要請してきた。幕府は展覧会への出
展を決め、将軍徳川慶喜の弟・徳川昭武を自分の名代として派遣して親善外交を
行わせ、その後留学させることとなったその随行員に高松凌雲は加えられること
となった。そこから彼の人生は大きく変転することになった。

パリ万国博覧会における日本の展示は大好評を博した。その後高松凌雲は「神の館
」と呼ばれたパリの市民病院で医学を学んでいた。貧民からは料金をとらない「神
の館」の運営に大変興味を持つ。その「神の館」は大富豪達、色々な人たちからの寄
付で成り立っている。進んでフランス語、フランス医学を学んでいた凌雲たちは
、日本から大政奉還のニュースを聞く。幕府が薩長を中心とする官軍に敗れ、将
軍慶喜も謹慎しているという報も入った。幕府が崩壊した以上、凌雲など他の随
行員は日本に帰らざるを得なかった。

江戸に戻った凌雲は、榎本武揚の幕府海軍で奥州へ逃げ延び、徳川の恩顧に応え
て、官軍に抵抗することに身を投じることになった。江戸を出港した艦隊であっ
たが、仙台など奥州の藩はすでに官軍に降伏したり恭順の意を表ており、やむな
く箱館へ行って北海道での再起を図る。ここで榎本は函館病院の頭取に凌雲を任
命する。
学んだ医学の先端技術を駆使するとともに、パリの「神の館」で学んだ富める者も
富まざる者も、また敵も味方も差別なく施療する精神を植えつけていく。日本の
医学に近代医療と呼べる精神を植え付けていく・・・・

その後の高松凌雲の生き方を決定的にした体験だった。函館戦争に従軍した一人
の医師の視点、また幕臣から幕末、明治維新の息吹が感じられる。勇気を与えて
くれる一冊ではなかろうか?吉村昭の本は面白い。

34715
本に出会う / 女龍王 神功皇后
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:46:34 pm »
書名:女龍王 神功皇后(上)
著者:黒岩 重吾
発行所:新潮社
発行年月日:1999/9/25
ページ:354頁
定価:1700円+ 税

書名:女龍王 神功皇后(下)
著者:黒岩 重吾
発行所:新潮社
発行年月日:1999/9/25
ページ:354頁
定価:1700円+ 税

 神功皇后は夫の仲哀天皇とともに学会では架空の人物とされている。記紀では
「おきながたしひめのみこと」である。この神話の世界を描いた作品。邪馬台国
の卑弥呼は九州、台与は大和に移って女王国をまとめる。ときが立って大和朝廷
が大和地方に勢力を張る。

 仲哀天皇は兄弟達の後継者争いに敗れ、九州に落ちのびる。その仲哀帝の妻と
なるのが神功皇后。大和に上るためには九州の勢力を倒して仲哀帝の勢力を拡張
しないといけないと考え、がむしゃらに熊襲を侵略しようとして仲哀帝は矢傷を
受けて、亡くなってしまう。その後を神功皇后が九州勢力を味方につけて、東征
し、大和に王朝を樹立するまでの物語です。神話の世界を現実に浮き出している



34716
本に出会う / 彦九郎 山河
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:46:07 pm »
書名:彦九郎 山河
著者:吉村 昭
発行所:文藝春秋社
発行年月日:1995/9/30
ページ:333頁
定価:1600円+ 税

寛政の三奇人、林子平、蒲生君平、高山彦九郎と呼ばれている。奇人とは類い希
なするれた人という敬称です。高山彦九郎は松平定信、上杉鷹山などの活躍する
江戸後期の人。細井平洲を師として、勤王の志を持ち、幕府は朝廷から政権を預
かっているに過ぎないという思想を前野良沢・大槻玄沢・林子平・藤田幽谷・上
杉鷹山・広瀬淡窓・蒲池崑山など多くの全国各藩の人々と交友しながら、広めて
いく。

当初、蝦夷地へ渡ろうとするが果たせず、天明の飢饉に陥った東北地方を遊歴し
て、南部藩、秋田藩、陸奥藩などは何万人もの餓死者が出た、鷹山の米沢藩は餓
死者が一人も出ていない。これらを政治によって対応出来ることを行わなかった
南部、秋田、陸奥は人災と言いきる。その後京都に上り岩倉具選宅に寄留し、奇
瑞の亀を献上したことにより光格天皇にも拝謁した。ますます尊皇の志を持つ。
そして天皇を支援してくれる藩として薩摩藩に狙いを定め、単独で薩摩に潜入す
る。薩摩藩内でも同じ志を持つ同士も多く出来たが、最終的には幕府には逆らえ
ないということで、この企ては失敗する。その後、兇状持ち(幕府から狙われる
)となって九州を転々とするが、久留米で自刃する。

明治維新の勤王の志士達の原形を作った高山彦九郎。彼の思想、狙いが薩摩、長
州、土、肥によって大政奉還、明治維新がなった。この彦九郎は学者ではあるが
、実践の人、また交友関係も多い。全国至る所に彼を快く迎えてくれる人々がい
た。机上の学問とは違った人。戦前の皇国史観であまりにも持ち上げすぎた感が
あって実体を伝えられていない。この吉村昭は冷静に真実を追っている姿が感じ
られる。

34717
本に出会う / 銀の匙
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:45:38 pm »
書名:銀の匙
著者:中 勘助
発行所:岩波書店
発行年月日:1999/5/17
ページ:227頁
定価:460円+ 税

いまちょっとベストセラーになっている「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子
どもたち 伊藤 氏貴 (著)」に紹介されている。戦後、公立の滑り止めだった灘高
でこの文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読むという空前絶後の授業を始めた橋
本武という国語の先生、その教科書なき教え方で東大合格日本一に。
そんな話題につられて読んでみました。江戸時代の終わりから明治の虚弱の少年
の成長物語。中勘助は少年になりきって少年の目、考え、感想を綴っている。当
時夏目漱石が絶賛して、新聞に掲載されたとか。中勘助には残された作品は少な
い。その中でも俊逸の作品。和辻哲郎が後書きを書いている。読んでみた感想で
すが、特に良いとも思えない。淡々とした少年が成長していく過程が綴られてい
る。また教訓的、説教などもなにもない。叔母に溺愛されながら成長する少年の
目で見た世界を描いている。

34718
福島原発関連 / 放射線量について
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:43:59 pm »
放射線量について(2011.03.17)

テレビで放射線量と人間に対する危険な関係については、健康に影響はありませ
んというばかりでなかなか納得のいく説明をしてくれるところは今の所ありませ
ん。いろいろ調べてみました。この情報は数字だけが走り回ると大混乱しますの
で皆さんもそれぞれ検算して見て下さい。間違っているかも知れません。扱いに
は特に注意して下さい。むやみに不安を煽るつもりは全くありません。落ち着い
て考えて見て下さい。また違っていたら教えて下さい。


横浜市 環境創造局 横浜市内における放射線量の測定状況について -
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/saigai/

横浜市はナノグレイ毎時[nGy/h]で発表している
試算したところ100nGy/h=80nSv/hしたがって発表数値に0.8をかければいい。

茨城県>平成23年東北地方太平洋沖地震への対応について -
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/index.html
ここではμSvで発表している

※1,000ナノシーベルト(nSv)=1マイクロシーベルト(μSv)=0.001ミリシーベ
ルト(mSv)

テレビで放射線量と人間に対する危険な関係については、健康に影響はありませ
んというばかりでなかなか納得のいく説明をしてくれるところは今の所ありませ
ん。いろいろ調べてみました。今の事象が長く続くと危ないということです。


現在北茨城市では(10分平均値)1.2μSv/hで推移しています。放射線量は累積(
積分)値になります。1.2μSv/hの放射線量が1ヶ月続くと
1.2×24時間×30日=864(μSv/h) 1日6時間外にいるとして 216(μSv/h)と
なります。

この程度であれば健康に問題のない状態だと思います。ところが福島市では(10
分平均値)12μSv/hで推移しています。
12×24時間×30日=8640(μSv/h) 1日6時間外にいるとして 2160(μSv/h)=
2.16(mSv/h)となります。この値は健康に問題がないということは言えません。

今、放射線を閉じ込められていないことが問題で、福島原発の直近の場所ではも
っと放射線量が多く、今後放射能漏れを防ぐことが出来なかった場合。(最悪臨
界が起こった時)福島市、北茨城市でも10倍以上の値になると想定されます。し
たがって早く、放射能漏れを止めないと健康被害が発生するおそれがあります。
そんな数値が原発に近いところで発生しています。数値が下がってくれることを
願っています。現場で作業している人たちは本当に必至で、命がけの仕事をして
います。

アメリカなどは放射能漏れが当分継続するということで80km以内から撤退命令を
出していると思われます。長期に渡ってくると福島市、30km内に避難している人
たちにとっては問題となります。したがって最悪の場合一番避難が必要な人たち
(でも実際手段がない)が避難できない。周辺の東京近辺の人たちが先に大騒ぎ
をして大混乱を招きそうです。早く閉じ込めが成功してくれることを祈るばかり
です。

若い人、妊婦、赤ちゃんが一番先に避難しないといけない。大人、老人は後、首
都圏より、原発近くの人たちが先です。くれぐれも。

武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(10) 政府・マスコミ、ごまかし。
危ない?! -
http://takedanet.com/2011/03/post_b9fc.html
武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(11) どこがまでが危ないか:計算
結果 -
http://takedanet.com/2011/03/11_0ba1.html


34719
本に出会う / 火のみち
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:41:54 pm »
書名:火のみち(上)
著者:乃南 アサ
発行所:講談社
発行年月日:2004/8/3
ページ:362頁
定価:1700円+ 税

書名:火のみち(下)
著者:乃南 アサ
発行所:講談社
発行年月日:2004/8/3
ページ:297頁
定価:1600円+ 税

内地で酒に溺れ、食い詰めた一家が満州へ、父は大工、満州でも酒はやめられず
どんどこの生活、そして戦争に徴用された父はあえなく戦死。戦後満洲から引き
揚げてき、その時残ったのは姉、妹、弟、母の5人、どん底の生活の中で母まで亡
くした南部次郎は、わずかな葬式代の代わりに幼い妹を連れ去ろうとする男を撲
殺してしまう。自己弁護も何もせず、懲役10年、二十歳の時の事、姉は一家のた
めに働きにでる。幼い妹も施設に預けられ兄弟はばらばらに。

服役中も渦巻く憤怒を抑える術すら知らない次郎は刑務所の作業で備前焼と師匠
に出会う。ひたすら土を練ること、陶器を制作することでようやく心が鎮まって
いく。妹は兄の経歴のため、大学受験を諦め、デパートガールとして東京にちょ
うど皇太子殿下の結婚のころ、その後女優として成功する。しかし南部次郎の妹
ということは決して証せない秘密。刑期を終えた次郎は20歳で罪を犯し、出所し
ても何もやることがない。そんな次郎を引き受けてくれたのが、備前焼の師匠。
師匠の弟子として岡山の窯で修行をする、その後独立して窯を開く。

独自の世界を開きかけた頃、安宅コレクションの中から中国宋代の青磁・汝窯に
出会ってしまう。そして身も心も青磁・汝窯に魅入られる。幻の器を自らの手で
蘇らせたいという激情に、何もかも放り出して調査、研究、試作にのめり込んで
しまう。火のみちというのは陶器を焼くとき、窯の中に陶器を置いて、その火を
どのように通すみちを作ることによって出来上がりが微妙に変わってくる。火の
みちを見つけることが陶芸家として大成できるかどうかの分かれ道。なかなか読
み応えのある作品。

34720
本に出会う / 気候変動の文明史
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:41:20 pm »
書名:気候変動の文明史
著者:安田 喜憲
発行所:NTT出版
発行年月日:2004/12/30
ページ:252頁
定価:1600円+ 税

15000年前~14500年前に起こった(マンモスの絶滅時期)温暖化の軌跡を追いな
がら温暖化するとどうなるか?地球環境を堆積物に残った花粉、縞(地層)を探
ることで古代の地球の気温、温暖化、寒冷化した時期と世界の文明の推移民族の
大移動、文明の崩壊などを克明に追っている。気宇壮大な物語なかなか面白い。
気候、宗教、疫病、民族の移動と地球温暖化、寒冷化の関係を日本の歴史、縄文
、弥生、古墳時代、奈良時代、平安時代を対比させながら、世界の歴史を眺め、
相互の間にはタイムラグがあること、地域によって温暖化、寒冷化の時期が違う
。今騒いでいるCO2犯人説でCO2を削減することでは何の解決にもならないことを
示してくれる。IPCCが言っている5.8℃の温度上昇が本当だとすれば、15000年前
のマンモスの絶滅と同じような影響が出て来る。ノアの方舟のように人類絶滅の
危機になってしまう。
歴史を紐解けば見えてくることがある。著者は気候変動と人類の生活・歴史の関
係を科学的に解明する「環境考古学」を提唱している。

本書より
-------------------------
かつて科学的歴史学という名のもとに、一世を風靡し、反対派を根絶やしにして
きたマルクス史観がある。しかし戦後60年を振り返ってみると、マルクス史観が
唯一絶対の真理ではなく、一つの歴史の解釈の仕方に過ぎなかったというより、
日本人の歴史をまったく誤って解釈していたということがわかってきた。歴史科
学において、自然科学のような唯一絶対の真理というのは見つけがたいのではな
かろうか。


34721
書名:お金の流れが変わった!
   新興国が動かす世界経済のルール
著者:大前 研一
発行所:PHP研究所
発行年月日:2011/1/5
ページ:243頁
定価:724円+ 税

停滞の20年、アメリカ一辺倒の20年そのうち、知らず知らずの内に実はお金の流
れが完全に変わってしまった。ホームレス・マネー(無国籍マネー)は4000兆円
、この動きを知らずして世界の経済は判らない。なぜ金融緩和、財政出動も1国だ
けの閉じこもった世界ではまったく効き目がない。日本の処方箋を提案している
。ホームレス・マネーをどう呼び込むか?税金を投入しなくても経済を活性化で
きるインフラが日本にはある。と人よりちょっと先の方を見ている大前研一氏の
緊急提案、4,5年後に見えてくる。さてどうなるか。興味をもってトレースして
みたい。

34722
本に出会う / 熱月(テルミドール)
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:40:15 pm »
書名:熱月(テルミドール)
著者:山崎 洋子
発行所:講談社
発行年月日:1994/12/19
ページ:476頁
定価:1845円+ 税

武林無想庵夫人・武林(中平、宮田)文子のパリで、様々な恋の遍歴を描いてい
る。大正から昭和のはじめ、スキャンダルにまみれた新しき女、抑圧された妻、
母から解放された女の生き方をした自由闊達な女性として生きた武林文子を中心
に、武林無想庵と夫婦生活、大正ロマンの一面で新しき女を自由奔放に生きた文
子を描いている。

このパリでの生活で、山本夏彦がこの夫婦と一緒に暮らしていたことがある。山
本夏彦の「無想庵物語」はどちらかというと無想庵が主人公、この熱月は文子が
主人公。女性の自立が叫ばれた時代。今の時代でも十分スキャンダルの中心にい
る女だろう。こんな生き方もあるもんだ。

本文より
-----------------------------
 私はハッキリいって、辛抱が嫌い
 というよりもちっともできない人間です
 だからこそ
 いろいろと数奇な運命をたどることになったのです


34723
本に出会う / 蒼の悔恨
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:39:50 pm »
書名:蒼の悔恨
著者:堂場 舜一
発行所:PHP研究所
発行年月日:2007/6/8
ページ:428頁
定価:1800円+ 税

連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた神奈川県捜査一課真崎薫だったが、10分ほど
前にコンビを組んだ女刑事赤澤奈津をかばった一瞬の隙をつかれ深手を負い青井
の逃走を許してしまう。まったく手がかりのないまま一カ月が経ち、退院した真
崎は、捜査に復帰を願うも、担当からははずされており、休暇を命じられる。警
察にとってミス、不祥事を黙って見逃してはくれない神奈川県警。ならばと、独
自に捜査をはじめてしまう真崎だったが......。はぐれ刑事の活躍は?

横浜を舞台に孤独な戦いが始まる。協力者は女刑事赤澤奈津。それと今まで培っ
てきた情報源の人脈、やくざあり、ホームレスあり、中華街の影の支配者など。
横浜の街を舞台にしているが、横浜の暗い、汚いイメージがつきまとう。結構怖
い街に描いている。もう少し綺麗に描いて欲しかった。ハードボイルド・エンタ
テインメント。

34724
本に出会う / 毛利は残った
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:39:21 pm »
書名:毛利は残った
著者:近衛 龍春
発行所:毎日新聞社
発行年月日:2009/6/20
ページ:325頁
定価:1800円+ 税

毛利輝元、関ヶ原の戦いで西軍の総大将、毛利元就の孫、小早川、吉川の叔父に
守られて何も出来ない。しなかったリーダー、その輝元があれよあれよという間
に西軍の総大将に祭り上げられてしまった。関ヶ原の合戦の西軍、東軍の陣地を
後で見た軍略家たちはみんな西軍が絶対有利で勝つ布陣と分析しているが、なに
もしなかった輝元のお陰で西軍は敗れてしまった。もっとも関ヶ原の戦いは石田
三成という中小企業(28万石)の社長が、徳川家康という大企業との戦い。戦国
時代が作ったドラマ。織田信長もやっぱり中小企業、今川義元を打ち破った。

関ヶ原の戦いが終わった後、いかに毛利家を残すように、眠っていた坊ちゃん大
将が、徳川家康、本多正信などからの陰湿な工作(領地替え、城普請)に沈静に
対応していく。負けて毛利が滅んでしまう土壇場になって、輝元も目覚た。
いかにして中国8ヵ国(120万石)の大大名から2ヵ国(29万石)への領地替え、部
下をどうやって食べさせていくか?借財をどう返すか?輝元なりに生き残り策を
実施していく。大阪夏の陣、冬の陣でも徳川方に、名門大名が没落していくなか
毛利だけは残った。

本文より
---------------------------------
毛利の元旦の秘密の儀式
代々、毛利家の元旦、まだ暗い萩の一室に重臣の代表と当主が膝を突き合わせた

「お屋形様、用意が整いましてございます。今年は公儀(幕府)を討ちましょう
や」
重臣が問う。
「いや、まだ時期ではあるまい」

34725
思いつくままに / ソーシャルメディアを考える
« 投稿日:: 3月 01, 2013, 06:38:02 pm »
ソーシャルメディアを考える
SNS、twitter、などFacebookは今年ブレークするなんて言われているが、ネット
ワークツールを活用しても、みんなから注目されたり、自分の能力が一気にアッ
プされるわけではない。ネットは自由な空間でも、平等な空間でもない。やっぱ
り現実世界と同じ、やっぱり発信力のある人、存在感のある人はネットであって
も、現実世界であっても個人の資質に左右される。ネットに対する期待値を大き
く膨らませることなく、自分の身丈にあった楽しみ方、つき合い方というものが
あると思う。過剰になる必要はないと思う。脚下照顧(足下を見よ)ですね。

今、twitter、Facebookなどで著名な人たちは実は実力があるわけではなく、単に
人より早く始めた。創業者利益と同じ。単に早いだけ、著名だから発言に対して
提灯持ちが周りにまとわりつく、おかしいとか、違うという意見、提案などを後
発の人がすると親衛隊(フォロアー)がみんなでガードする。一種異様な世界。
またネットの世界はきれい事ばかりではなく生身の醜いところも一杯あって、人
間くさいところがまた面白い。

人より早く始めるだけ、こんなものはいずれ淘汰されて行くでしょう。これから
の一般的な人たちがもう少し自分の身丈にあった使い方をしていくか?常に新し
いもの、話題ばかり追いかけて結果なにも残らないようになってしまうか。面白
いところ。写真は概要をつかむには良い。映像も判りやすい。でも詳細は自分の
眼で見て、スケッチすることでよく見えるようになる。ネットは概要をつかむに
はいいけれど、深く考えるには向いていないように。熟慮にはやっぱり生身の対
面、対決、相づちが必要。そんな気がする。ネットはやっぱりかゆいところに手
が届かない。

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